第121話 情報購入
ふぅ、私はイチゴ、魔術師をしているわ。
この前、私を倒した奴に殺されたから、話を聞いて、強くなろうとしたの。そしたら、教えたくないのなら、そう言えばいいのに、わざわざ、飛び降りてこいだなんて言ってきたんですのよ?
あり得ませんわ! 私も素直に言うことを聞いて、一回は飛び降りましたわ。怖すぎましたわね、途中でパラシュートを開いたんですの、その時、私何してますの? っていう感情に襲われましたわ。
その後はもう一切してませんわ。パラシュートも頑張って買ったですけど、使い切りでただのお金の無駄になりましたし、本当、怖い思いをしただけですわね。教える気がないならそうと言えばいいのに、真面目に捉えた私が馬鹿でしたわー!
こうなったら、ただじゃおきませんですわ。しっかりと制裁を加えて、あの人にも飛び降りの恐怖を教えてあげるんですわ。どうせ、飛び降りたこともない、高所恐怖症でしょうけど、その無様な姿を晒させてやりますわ!
んー、でも、あの人に会う手段がありませんわね。どうすればいいんですの? 前みたい探し続けても、徒らに時間が奪われるだけですし、一生会えないっていう可能性もあるですわ。
どうも出来ないまま、時間だけが過ぎていきましたわ。私なりにも努力して強くなっている感じはしますけど、それでも何か足りない気がしますわね、全ての強者が兼ね備えている、ある共通した秘密……私はそれを暴かなければなりませんわ。
更に時間が過ぎてもう、次のイベントが開かれてしまいましたわ。私も強くなったつもりでもまた、今回も負けて、準決勝止まりでしたわ、私には何が足りないんですの……?
こうなったら、情報屋に頼りましょう。大手の情報屋クランなら、有名人の行動パターンとかくらい知ってるんじゃないですの? それで行くしかありませんわね。
ここが情報屋ですわね、思ったより、広くて豪華ですわね……そんなに儲かってるんですの? べ、別に怖気付いても、物怖じしたわけでもありませんわ! ただ、予想を上回っていたから感心しただけですわ! さぁ、ささっさと行きますわ!
う、受付が五つもあるんですわね、そこら辺の冒険者ギルドよりも多いですわ……ここはイチゴ、勇気を持って行くしかないですわね!
「お、恐れ入りますが……あ、あの、前々回の大会の優勝者についての情報は何かありませんの?」
「前々回大会の優勝者ですか……少々お待ち下さい。えーっと、ライト様の情報ということで間違いないでしょうか」
あの人はライトって名前なのね、知らなかったわ。まあ、取り敢えず名前なんてなんでもいいんですの、取り敢えず強くなれる情報さえあればいいんですの!
「は、はい。それでお願いします……ですわ」
「わかりました。少々お待ち下さい……はい、検索結果は一件だけですね、内容は秘密、となっております。いかがされますか? なお、情報を開示した後の、クレームや返金などの対応は致しかねます。
あ、更に備考欄に情報購入者は注意すべし、という言葉がありますね。危険な情報になるかもしれません、どうしましょう、ご購入されますか?」
あ、あの人の情報は一つだけですの? それに危険な情報の可能性もあるってことですわね……これは、期待度が大きいですわね、これを待っていたのですわ! これで、これで遂に私も強者の仲間入りが出来ますわ!
「こ、購入する!……ですわ」
「はい、かしこまりました。では、料金は十万ゴールドになります、当クランは分割払いに対応しておりませんので、お気をつけ下さい」
じゅ、十万ですの!? ど、どんな情報ですの、それは? そ、そんなにどえらい情報というわけですわね……期待がますます高まりますわね。十万は高いですけど、私もそこそこ強いんですの、そのくらいは持ってますのよ。
「はい、きっちりちょうどお預かり致しました。この度は当クランをご利用頂き誠にありがとうございます。またのご利用をお待ちしております」
受付の人からは一枚の羊皮紙を受け取りましたわ。まだ中身は見ていませんの、そんな受け取ってすぐ中身を見るなんてことはいたしませんのよ。情報は逃げませんの、帰ってからじっくり読むんですわ。
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