第110話 発見
一通り、強制進化のスキルを試し終わった後は再び研究室に戻った。着地は……聞かないでくれ。部屋に入ると、
「おぉ、戻ったか。急に何処かへ行ったからびっくりしたわい。それでな、まだお主に伝えなければならんことがある。
残りの心臓についてじゃ。本来はお主のものなんじゃが、これらのエネルギーは研究に使えるのでな、準男爵のエネルギーはスキルとの交換でよいかの? 残りの心臓についてはスキルも無かったから、こちらで引き取りたいんじゃが、お主には金で良いかの? その他の物となると大したものが無くなるでの、お金にしてくれるとありがたいわい」
準男爵については勿論それでいい。エネルギーなんてもらってもしょうがないし、あの便利なスキルをくれたことを考えれば十分にお釣りがでるレベルだ。
騎士爵についてはな、普通にタダであげてもいいんだが、まさかのお金をくれるとはな、これはなかなかいい仕事だな。ってかこの爺さん金持ってんだな。まあ、こんな所にこんなもの作るくらいだからそれもそうか? 前は冒険者でもやってたのか? 悪魔も倒したことあるだろうからな、その可能性は大いにある。
「ん? やはりお金じゃダメかの? そうなると、儂には少しの素材しかないが、それも研究に使うからの……」
「あっ、お金でいいぞ、大丈夫だ」
「おぉ! そうか、それは良かったわい! 儂の気持ちも乗せておるからの、しっかり受け取ってくれ。ふぉっ、ふぉっ、ふぉー」
お、おう、上機嫌になってようで良かったな。それにしてもそのエネルギーとやらはそんなに有用なのだろうか、恐らく研究に使われるのだからその動力源にでもなるのか? まあ、いいか。
それよりもかなりの臨時収入が手に入ったぞ。これでスキル屋のツケも払えるぞ。よしよし、いい調子だな、早速向かおう。
「あ、出ていく前に一つ言っておくぞ。今回はお主は見事、悪魔を討伐してくれたの、とても感謝しておるわい。じゃが、これからも悪魔をそして、より強い悪魔を倒すというのなら、今のお主じゃ到底無理じゃよ? これからも儂の所に来てくれると言うならば、もうちょっと強くなってくるのじゃ。そうだな、せめて最低、レベルは三桁にいってくれんと、ずっと準男爵止まりじゃよ。期待しておるぞ」
去り際に、お前はまだまだ、って言われてしまったな。確かにそうか、騎士爵に手こずってるようじゃ話にならないからな、いずれは公爵級、いやそれ以上だからな。もっともっと鍛えないとな。確かに、悪魔を倒して、新スキル手に入れて少し浮かれていたかもな。
それよりも、さっきの上機嫌からの変わり身早すぎるだろ。小踊りしそうなくらい喜んでたのに。
それよりも、これはあの爺さんなりのエールだったのかもな。なんだかんだ油断するなって忠告もしてくれてたしな、よし、俺もしっかり俺の頭脳を信じよう。そして、自分の役目を果たすんだ。
それはそうと、取り敢えずスキル屋に行こう。借金は良くないからな。早めに返せることに越したことはない。
よし、到着した。ってかハーゲンめちゃくちゃ速くなってる。なんか、体は少し小さくなって、心配してたんだが、その分軽くなったのか、とても速かった。まるで戦闘機に乗ってるかのようだった。乗ったことは無いけど。翼を折り畳んで飛んでいたからな、どうやって飛んでるんだよって感じだったな。恐らくスキルなんだろうが。
ハーゲン……強制退化っていうスキルないか探そう。
うん、無かった、知ってた。流石にそんな都合の良いスキルないか、でも相手のモンスターを強制退化出来たら強くないか? まあ、ないものねだりはしてもしょうがないか。
お金を払い終わって、品物を見たけど、特に刺さるものは無かった。まあ、たまにはお金を貯めるのも悪くないな。
いやー、でも買いたいな。あったら買いたくなるんよなー。まあ、いいか、我慢しよう。なんだかんだ一時間ぐらい店をぶらぶらしてしまったな。店側からすると、いい迷惑だな。よし、もう出よう。
そんな葛藤をしながら店を出ると、
「はぁ、はぁ、はぁ。やっと見つけました……よ」
ん? 誰?
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