第109話 強制進化
え、それめちゃくちゃ強いじゃんそれ。強い悪魔を倒せば倒すほど、自分が強くなれるってことだな。それはいいな、悪魔を倒すモチベーションが上がるな。
「よし、解析が終わったぞ。今回の悪魔は騎士爵三体と準男爵で、スキルを持っていたのは準男爵の一体だけじゃな。そして、これが準男爵の持っていたスキル、【強制進化】じゃ」
そういって俺は一つの巻物を貰った。これはスキル屋で売られているものと同じ形態だ。スキルはこの巻物の形で取引されるのだ。
それにしても強制進化かー。あまり良い印象は無いし、字面からしても良いイメージはないな。まあ、効果を見てみよう。
【強制進化】‥モンスターを強制的に進化させる。進化できない、種族、個体であったとしても、強制的に発動する。素材を使って望む方向に進化させることができる。
へー。効果は面白いな、どんなモンスターでも強制的に進化させられるのか、モンスターって限定されているから人間や、それに準ずるものはダメなんだろうな。できたら俺に直ぐにでも試してみたかったんだがな、まあ、しょうがない。
それに素材も使うのか、ならさっきの悪魔ちゃんと死体ごと持ってくるべきだったな。これからはちゃんと素材をしっかりと回収しないといけないな。
よし、ならあいつで試すしかないな。今回は良い素材が無いから、無しでいいか。
「ハーゲン!!」
一旦外に出た俺は俺の従魔、ハーゲンを呼び出した。もう、随分長いこと一緒にプレイしてきた相棒みたいなものなんだよな。それが変わってしまうと考えると、少し感慨深いものが……無いな。よし、やろう。
「【強制進化】……」
俺は俺がスキルを発動すると、ハーゲンが薄く緑色の光に包まれた。
「従魔:スワンプコンドル、個体名:ハーゲンがターバリーホークに進化しました」
「え、え? えーーー!!??」
は、ハーゲンが、禿げてない!? 進化ってそういうこと? 禿頭に髪が生えるの? ってかコンドルからホークになってるじゃんかよ! ハゲタカからタカってもう退化してるようなもんじゃん!
折角、禿げてて愛嬌もあったのに、今となっては超イケメンになってやがる。まあ、スピードも今までよりも速くなってそうだし、強そうだから進化させたら意味はあったんだろうけどなー。まあ、進化させたら元には戻せないだろう、切り替えよう。
それにしても、進化って面白いな。新しい種族になるのか、他にも出来ないかなー。もっと服従しないといけないのか? 新しく、自分好みのモンスターを捕まえに行くとなると骨が折れそうだな。自分の強化もしたいしな、んー、どうしたもんかなー。
「あ、」
そうだ、そういえば、俺には使役しているモンスターが別にいるんだった。そいつらでも強制進化はできるだろう。
「ボーン、スカル」
俺がそう唱えると、目の前には二体の魔物、スケルトンが現れた。恐らくコイツらでも進化させられるはずだ。コイツらは俺の死霊魔術で召喚したスケルトンを服従させた個体だ。
「【強制進化】」
スキルを発動すると、先程と同様、二体とも薄緑色に包まれていった。そしてそこに現れたのは骨の騎士だった。
「従魔:スケルトン、個体名:スカル、ボーンがスケルトンナイトに進化しました」
おー、これは順当な進化、という感じがするな。どうやって進化させるのかはわからないが。見た目は剣と盾を装備しており、骨も太く、しっかりとした印象を与えている。いや、今までが脆そうだっただけか?
いずれにせよ、強化されているのは間違いないだろう。これからも沢山素材を追加していって、最強のスケルトンを作っていきたいな。
そしてこれからは戦闘に参加させていければ御の字だな。一人から三人になるのはかなり大きいだろう。頑張って育てていくか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます