第99話 対抗策


「お主に悪魔に対抗できる手段を教えてやろう。ただし、あくまでも教えるだけじゃ、モノにするかどうかはお主次第じゃ。取得するだけでも相当難しいからの、気をつけるのじゃ」


 まじか、そんなに難しいのかよ。ってか、それほどの力がないと抵抗出来ない悪魔って、どれほど強いんだ? 少し恐ろしくなってくるな。でも、それと同時に少し楽しみでもあるけどな、強い敵を倒すことは、なかなか他には替えられがたい貴重で楽しい経験なのだ。


「うむ、お主の決意も固いようじゃな。では、説明していくかの。悪魔に対抗する手段としては主に三つあるとされておる。

 一つ目は、聖属性で攻撃することじゃ。これはイメージしやすいじゃろ。剣に聖属性を纏わせたり、そのまま魔法として攻撃しても良い、とにかく聖属性を悪魔に触れさせれば、格の低い悪魔はこれだけでも大ダメージじゃ。この手段は一番効く方法でもあるの」


 聖属性かー。持っていないな、どうすればゲットできるのだろうか、全くとれるイメージがない。もう、スキル屋に行って一応確認しとくか。もし、あったらラッキーくらいでね。


「二つ目は、魔法じゃ。しかし、魔法と言っても全ての魔法が効くわけではないの。物理的な魔法は効きにくい傾向にあるんじゃ。まだ、しっかりと解明出来ておるわけじゃないんだが、例えば、土より水が、水より風が、そして四属性の中では火が一番効くぞ。まあ、魔法はダメージを与えられるものもある、くらいに考えとくのじゃ。間違ってもこれを主体に倒そうとしてはならん、あくまでも魔法はサブじゃ」


 魔法はサブなのかー。まあ、実際使えそうなのは爆炎魔法くらいだし、属性も火だからそこまで気にすることじゃないか。開始一発目とかはいいかもしれないな。


「そして、三つ目は、気じゃ。気とは自分の生命力を力に変えるものじゃ。古来より、悪魔を倒してきたのはこの力とされているのじゃ。魔法が生まれるまだ前はこの気を使えるかどうかが大きく其の者の実力を決めてしまうのじゃ。魔法が発展した今では、気を使えるものもかなり少なくなってきてしまった」


 気かー。気は是非習得してみたいな。強そうだし、カッコいいだろ、絶対。でも、気をゲットするにはどうすれば良いんだろうな、教えてくれるのか? もし教えてくれないなら相当キツいぞ……


「儂は気を嫌った悪魔が、人々に魔法というものを教え、気を衰退させたんじゃないかと踏んでおる。悪魔は人にも取り憑けるからの。それに悪魔に闇属性の攻撃は効かんぞ、闇属性は悪魔の力そのものとまで言う者もおるほど力が酷似しておる、もし、闇属性を使ってしまうと、悪魔が強化されてしまうから気をつけるのじゃよ」


 人に紛れ込める悪魔ってチートだろ、そんなのどうやって判別するんだよ、無理だろ。そんな奴と戦おうとしてるのか、現実だったら絶っっ対に嫌だな。それくらいなら、何も知らずに幸せにいきたいよな。


「お主、今度はどうやって悪魔を見つけるんじゃ、って顔をしとるぞい。まあ、そう焦らんでよい。今は悪魔に対抗できる力を身につけることに集中するのじゃ。お主は言うなれば剣じゃ。そしてお主が剣なら儂は目となり耳となり、脳となるからの。ふぉっ、ふぉっ、ふぉー」


 この爺さん自分で言って、自分で悦に入ってるわ。このセリフ言いたかったんだろうなー、少し上機嫌だもん。もしかして、言うために練習してたんじゃないかってくらいだぜ。


「ところで、その気とやらはどうやって使えるようになるんだ?」


「……はて、そういえばあの書類はどこに置いておったかの、探さねばいかんの。忙しい、忙しい、忙しくてかなわんわい」


 あ、今このジジイ絶対に無視しただろ。それにそんなに忙しいって強調しなくてもいいだろ。分かんないなら分かんないって素直に言えばいいのにな。


 まあ、あの使えない爺さんはおいといて、自力で模索しますかね。


「お、おい、使えないジジイは用済みだな、って言う顔をするでない! 儂はただ忙しいだけじゃぞ!」


 このジジイ読心術でも持ってんのか? 凄い精度だな、ただ今回は少し被害妄想も入ってただろ絶対。







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読心術、あったらいいな、とも思いますが、常時発動型だと嫌ですよね。


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