第84話 イチゴのステータス


「うぅ……」


 あの男が死に戻りしてる間、私はずーっとあのとても臭いにおいを嗅いでいないといけませんのよ。それに、途中からスキル嗅覚強化なんてものもゲットしてしまいまして、ほんと、死ぬかと思いましたわ。


 スキルをゲットするのは、とても嬉しいですけど、こんな形はまっぴらごめんですわ。


 あ、あの男がコウモリを爆散させましたわね。相変わらず、頭のおかしい火力ですわ。それをなんでもないことのように撃つのもヤバすぎですわ。


 こうなったら、もう仕方ありませんわね。本人に直接話を聞きましょう。なぜ、あんなことをしているのか、そして、どうやったらそれ程までの力を持っているのか。これは何としてでも聞かなければいけませんわ。


 よし、じゃあ、早速行きましょう。こうやって接触するのは、またコウモリに対して死に戻りされるのが嫌だからではないですわよ? いい加減理由が知りたいんですの。


 いや、だからといってあの臭いにおいを嗅ぎたいと言うわけではないですわ。あのにおいは正直無理ですわ。まだトイレの方がマシと思えるほどの臭さですわね、まあ、トイレも嫌ですけど。


 あの男は私のことを覚えているのでしょうか。イベントではあまりにも呆気なく、赤子の手を捻るように負けましたから、記憶には残っていないのかもしれませんわね。


 まあ、覚えられているかどうかは正直関係ないんですの。私が強くなればいいんですの、そう、ただそれだけですわ。


 もう、早く行きましょう。もたもたしてるなんて時間の無駄ですわ。緊張してる訳でもないのですし……緊張? いや、まさかですわね。わざわざ話を聞くだけなのに緊張とかある訳ないですのよ?


 で、でもこうやって近くで見ると、オーラがすごいですわね。圧倒的な存在感が伝わってきますわね。


 よし、もう、ウダウダしてられないわ。いきましょう。


 ん? 何か唱えてる? え、なんか魔力が増大していってるような……? 何をするつもりなんですの?


「あ、」


 気付いたら私は第三の街にいましたわ。


「え?」


 あの男から何かされたの? 確かに視線はこっちに向いていたけど、何も飛んできていなかったし、なんなら少し驚いた表情をしていましたわ。なのになんでここにいますの?


 あ… もしかして、私、あのコウモリみたいに爆散させられたんですの?それだとしたら何も飛んでこなかったのは頷けますわね。目撃者は許さないってことで、私を処理したんですわね。ですが、あの男の行動はバッチリ見させてもらいましたし、殺されたんですから、少しゆすりに行きますわ。


 そうすれば、情報を貰えるはずですわね。ですが、今し方死んでしまいましたわ。デスペナルティが終わるまでは少しまたないといけませんわね。


 ステータスを確認しておきましょう。


▪︎イチゴ Lv.79

職業:水魔術師

HP 120/120

MP 200/200

STR:1

INT:150

AGI:60

DEX:80

VIT:50

LUK:10


スキル:【水魔術】【雷鳴魔法】【高速詠唱】【火魔法】【木魔法】【地魔法】【気配遮断】【俊足】【危険察知】【魔力操作】【魔法強化】【魔力増加】【MP自動回復】【嗅覚強化】


称号:《水の支配者》《雷の使い手》《ホーンラビットの天敵》《四属性の使い手》《水精霊の祝福》《被害者》


SP:0



▪︎装備

左:蒼玉の杖

右:ー

頭:炎狐の帽子

胴:炎狐のドレス

腕:炎狐の手袋

腰:炎狐のベルト

足:炎狐のブーツ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る