第79話 戦果


 いや、ちょっと待て、情報量が多すぎるぞ。ただでさえ目覚めしたばかりだというのに、頭がまだ働いてないぞ。


 よし、ひとまず落ち着いた。一つずつ整理して行こう。


 まずは、レベルアップだな、今回ので85レベに到達したようだ。もうすぐ100だな、このゲームはレベルキャップは有るのだろうか、有るとしたら何レベなのだろうか。無難に100だろうか、まあレベルキャップまでは最低いきたいな。


 まあ、レベルに関しては今はまだあげようとしてないし、上げたくなったら上げればいいし今はまだ気にせずいこう。


 次は、新しいスキルだな。んーと、怒髪衝天か。四字熟語スキルだな、これで三つ目か。四字熟語のスキルは強いからな、効果も期待できるぞ。


【怒髪衝天】‥倒すべき対象(複数も可)を定め、それを倒すまで狂ったように戦い続ける。その間、STR、VITのステータスを3.5倍になる。


 おー。強いし、使いやすくなってるな。これは強化とも言えるだろう。以前のままだとデメリットも大きかったからな。ただ、逆鱗とバーサークの倍率を単純に掛け合わせた倍率よりかは、このスキルの倍率は低い。まあ、そんなに変わらないし、使いやすくなった分を考慮するとなかなか良いのではないだろうか。


 ここで面白い現象が起きている。怒髪衝天統合された、逆鱗とバーサーク、バーサークは普通のスキルだからまだしも逆鱗は武器のスキルである。


 それなのに、二つとも同じ様に統合されている。こういうことはよくある事なのだろうか。個人的には何か珍しいことの様に思える。まるで、硬式テニスと軟式テニスが一緒にダブルスをしている様な感覚といえば良いだろうか。まあ、そんな感じだ。


 両方とも怒髪衝天の下位互換であるから、使えないのも理解できるし、そもそも使う必要もないからいいんだが、少し違和感がある。


 まあ、そんなことはいいか。次にすすもう。次は称号だな。二つもゲットしている。一つは悪魔を見し者で、もう一つが悪魔の討伐者だな。なんか、悪魔を倒しただけで二つ貰えるのはお得な気がする。


 実際はまだ倒せる段階じゃないから、本当は一つだけだったのだろうと思うと、少し嬉しい。ダメって言われてることをやった時の小学生の気分に近いな。ゲームをしていると童心に帰れるのはいいことだと思う。退屈なことしてても楽しくないしな。


 やばい、脱線しすぎだ。これも並列思考の弊害だろうか。気を取り直して、まだ、称号の効果の確認もしていなかったな。



《悪魔を見し者》‥悪魔を見る。新たな職業、スキルが獲得可能になる。


《悪魔の討伐者》‥悪魔を討伐する。一部のNPCからの好感度が上昇する。悪魔からの敵対心が上昇する。


 うーん。なんか思ったよりもぱっとしないなー。あんだけ強かったからもっと強化してくれたり、スキルくれたりするのかと思ったんだが。まあ、本来は一方的にやられて、新たな可能性が開けるだけだったと考えると……


 いや、それでも敵対心が上がるっていうデメリットの方が高くないか?


 まあ、今考えても仕方ないな。次行こう、次は、エクストラクエスト『悪魔への挑戦』か。これを見るに、俺が倒した悪魔はそんなに強く無かったってことなんだろうな。それならば称号が思いの外ショボいのもまあうなずける。


 ただ、アイツよりも遥かに強い奴に勝てるビジョンは全く見えない。少し鍛錬の頻度を増やさないといけないかもしれない。


 クエストの内容は、第三の街にいる、お爺さんに話を聞くことらしい。なんかゲームっぽいな、これは長くなりそうだな。


 よし、大体整理がついた。最後はもはや久しぶりとでもいうこいつか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る