第68話 試合
言葉通り試合を秒で終わらせてしまった。
ただ、節約しようと思って、ワンチャン出来たらもの凄く節約になるなとは確かに思ってたが、本当にあのスキルで倒してしまうとは……確率は結構低いと思うんだけどなー。まあ、勝てたからいいか。次の試合に集中しよう。
もう、いつの間にかベスト4にまで来てしまった。なんか、たまたま感が否めないんだよな。相性良かったり、超低確率を引いたりとかな。
次は準決勝だ。次もギロチンカッター発動しないかなー。そしたら楽でいいのにな。
お、もう前の試合も終わったのか。とうとう準決勝だな。取り敢えず、スキルは使ってみるがどうせ発動しないだろうな。流石に。今回は決勝のことも考えて、武器を使ってみようと思う。
決勝でいきなり使っても上手く使えるかわかんないからな。軽く肩慣らししよう。二刀流は隠しておこうかな。せっかく今まで隠してきたのに決勝の相手にバレるのも嫌だしな。
とうとう、呼ばれる大事な準決勝だ。頑張って行こう。
相変わらず急に転移させられる。もうお馴染みの空間。特に触れるところもないコロシアム、地面はザラザラとした土だ。現実で転んだら確実に擦りむくやつだな。
周りの観客は試合数が重なる毎にどんどんと熱気を増していってる。選手の情報もある程度明らかになり、応援もしやすくなったのだろう。それと賭けも理由の一つか。
賭けといっても色んな賭け方がある。一試合毎にも勿論あるが、全試合を通して、一位、二位、三位を当てるような賭け方もある。勿論全ての順位を賭けようと思えばできるのだろうが流石に無理だろう。
多くの人は試合毎の勝者を予想しているのだろう。ただ、もう準決勝ともなり、酔狂なギャンブラー達の賭けが始まる。上位の順位に大きく関わるためそれだけ観客の熱気も高まっているのだろう。
俺も賭ける側もやってみたいなと思う。現実では一銭も賭け事はしないからな。
だが、今は目の前の敵に集中だな。相手は短剣使いだ。両手に持っている。相手に焦りは見えない。やはり相当な猛者なのだろう。俺も気合を入れよう。前回のようにすぐ終わればいいのだが、今回は厳しそうな予感がする。
「3、2、1、」
各種スキルをあらかた発動する準備をする。勿論あのスキルもだ。目の前の敵にだけ集中して、
「GO!!」
よし、先手から、
「【ギロチンカッ…… なに!?」
まずい。相手は俺の即死攻撃を警戒して、開始早々距離を詰めて俺に攻撃を仕掛けてきた。俺は慌てて避けてしまい、発動ができなかった。
スキル発動は意思だけでいいんだが、その意思さえも注意を逸らされたことで途切れてしまった。
まあいい、どちらにせよ決まらないことは予想通りだったからな。一旦距離を取る。そして何もない所から剣を出現させる。勿論一本だけだ。
相手は目を見開いて驚く。そりゃ素手で戦うと思ってた奴が徐に剣を取り出したらびっくりするか。それもかなりゴテゴテの剣。初期装備の奴が持つ剣じゃない。
やっぱり、即死攻撃に頼らずに普通に攻撃しよう。そっちの方がワクワクしそうだ。楽しみになってきた。
では、いこうか。
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