第67話 節約
二回戦も無事に終えることができた。相手には申し訳なかったが、しょうがないものはしょうがないだろう。これでベスト8に入ることができたようだな。三十六人だから誰かがシードになっていたのか、それとも小山で誰かが当たっていたのだろう。
それにしても、やはり決勝といった所だろうか、そこそこ相手のレベルも高くなってきたように感じる。これからは今までみたいに簡単にいかないのだろうか。でも、前回もそう気を引き締めて楽だったから次も楽だったらいいのにな。
おっと、もうお呼ばれしたようだ。人数も減ってきて、試合の間隔が短くなってきたな。勝ち上がればどんどん連戦になるから、なるべくエコに終わらせられるように、節約していこう。
勿論、手を抜きすぎて負けるなんてあり得ない。負ける時は全力を出し切ってから負けたい。流石に龍化は使いたくないけどな。負けそうになったら使わざるを得ないだろう。そんなことにならないことを望むが。
試合会場に立っていた。目の前の相手も同じように連れてこられたようだ。だが、相手も俺と同じように二回以上勝ってここに立っている。油断はならない、ただ、節約して倒す。
相手の装備は銃のようだ。両手に銃を持っている。ただ、リアルな武器というよりかはどちらかというと、ファンタジーの世界の武器というか、まあゲームらしい銃といったところだろうか。ゴテゴテしてて見た目もかっこいい、個人的には好きだ。
だが、相性の話とはまた別だ。拳の間合いだと近づかないといけないのに対して、銃はその範囲外から一方的に攻撃ができる。どう相手の弾を避けるか、そしてどう近づくかがポイントになりそうだ。
今、会場の熱気、盛り上がりもかなり高くなっている。観客が試合の始まりを今か今かと待っているのがこちらにもヒシヒシと伝わってくる。
だが、俺はそこから意識を外していく。徐々に集中していく。周りの世界が見えなくなるというか意識できなくなるほどに、意識するのは自分の体、相手との距離、そして相手の一挙一動だ。無駄な情報を全て遮断して必要な情報にだけ集中していく。
これは俺が瞑想している時に培ったものだ。これを予選でもしていくことで新たにスキルも入手できた。それほど有用なものなのだろう。
いい感じだ。程よく集中してるが、自分を客観的に見れている自分もいる。悪くはない、むしろ良い状態だろう。そろそろ始まるな。
「3、2、1、」
あ、そういえば節約といえば、確実に決まる訳ではないが決まったら節約になるだろうものがあるな。こんな時だが今、急に思いだしてしまった。そんなにリスクがある訳でもないし、試してみるだけ試して見よう。
「GO!!」
よし、試合開始とともに、
「【ギロチンカッター】」
あ……
やってしまった……
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