第63話 検証


 その後も検証を続けた結果、スケルトンはMP5を消費して召喚されるようだ。俺は最大MPが10しかないため、計二体しか召喚できない。まあ、二体もいれば十分だろう。


 それと、召喚したスケルトンは死ぬまではずっと出たままのようだ。だが、実際は一日しか検証していないので、もしかしたら何日間も召喚しっぱなしの場合だといつか消えるかもしれない。


 まあ、そんなことしようとも思わないし、VRの規定上、連続ログイン時間が定められているのでやろうと思っても不可能だ。


 あと、スケルトンの動きだが、ある程度俺がして欲しいと思ったことは出来るようだ。例えばあのモンスターを攻撃しろとか、俺を守れといった簡単な命令だ。


 その一方で、具体的な攻撃方法、つまり細かい命令は指示をしてもスケルトンは反応しない。恐らく知能が足りていないのだと思われる。


 俺にもっとMPがあればより知能が高く、強力なモンスターも呼べるかもしれないが、仮にMPを上げたとしても、熟練度が足りていない場合召喚出来ない可能性もある。


 うーん、MPをあげてもいいんだけどなー。今のところスケルトンだけでも大丈夫そうだからそのままでもいいか。スケルトンに上手く立ち回らせるにはどうすべきか考えないとだな。


 まず、複雑な命令は聞かないから、簡単な命令で尚且つ俺の要望にできるだけ沿ったことをさせるためには……


 いや、俺そんな頭よくねえわ。どうしよ、簡潔にしたいんだが、その時々によって状況は変わってくるだろうし、難しいな。


 どうにか、言うことを聞かせられないか? ん? 言うことを聞かせる? ってことは従えさせるってことだよな? つまり、服従!?


 俺には服従のスキルがある! それをスケルトンに使ったらどうなるんだ? もしかしたら普通に言うことを聞けるようになるかもしれないぞ! よし、善は急げだ。早速やってみよう。


「【死霊魔術】、召喚! からの【服従】!」


 すると、


「スケルトンの服従に成功しました」


 おー! 俺の予想は当たったぜ! 召喚したモンスターでも服従できるんだな! 服従したってことは俺の命令により対応してくれるはずだ! 実際にやってみるか!


 これは凄いぞ! さっきまでとは比べものにならないほど言うことを聞いてくれる! 攻撃や防御だけでなく、立ち位置や立ち回りなども大雑把ではあるがかなり言うことを聞くようになっている!


 それに、スケルトン自身から直接忠誠みたいなものも感じ取れる。ハーゲンと同じものだな。やはり、召喚よりも服従の方が繋がりが太いということだろう。


 今までの一応攻撃できる壁みたいな扱いから、普通に兵士レベルまで上がったと言える。まあ、攻撃をくらえないことには変わりないのだが、それでも戦術の幅はかなり増えることだろう。これは期待できるぞ!


「名前を付けますか?」


 お! こいつらにも名前をつけられるのか! そーだなー。よし、決めた!


「お前らはボーンとスカルだ!!」


 え? 何故かって? 両方とも骨っぽい名前だろ!

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