第59話 テンプレ?


【明鏡止水】‥雑念を無くし、最適な行動を取れるようになる。攻撃力、敏捷が1.5倍上昇する。攻撃をくらうと終了する。


 お、なんかゲットしたぞ。明鏡止水か、強そうな名前だな。四字熟語ってかっこいいよな、あと俺が持ってるのは乾坤一擲か。他にも沢山集めていきたいな。四字熟語スキルは強い印象だな、このスキルも地味だけどかなり強いし。


 明鏡止水は刀で使ってみたいな。個人的に和のイメージだから刀がぴったり合いそう。次は刀を作って貰うのもいいかもな。


 よし、新スキルもゲットしたことだし、もっと倒していこう。今倒しているのが七人だから、最低でも十人は倒したいな。もっと倒せるなら倒していきたいが。


「【気配感知】」


 二つの場所から反応があるな、どちらからいこうか。右だな、


「【神速】っ!」


 反応があった場所へと全速力で向かうとそこにいたのは、先程まで考えていた刀使いだった。


 うあー、欲しいと思った矢先にでくわすとはな。うーん、やっぱり刀は刀でかっこいいよなー。凛としてるし、なにより強そう。あの爺さん刀作れんのかな? まあ、いいかとりあえず今はイベントに集中だ。今回も背後から奇襲を仕掛けるか、


 パキッ、


「あん? おい、そこに誰かいんのかよ。出てこいよ!」


 しまった! 枝を踏むという、典型的なバレ方をしてしまった。まずい、だが、奇襲をせずに堂々と戦えると思えば逆に好都合だ。自分のpsをあげるための訓練と考えよう。勿論死ぬ気で勝ちに行くが。


「へ? お前、初期装備じゃねーかよ! なんでこんな所に初心者がいんのか? 装備とか考えずにひたすらレベル上げでもしてたか? それともただの寄生プレイか? まぁ、どちらにせよ俺に会ったのが運の尽きだな。さっさと終わらせてやるよ」


 うわー、ヤンキーというかチンピラというか、俺強いだろ感を放ちまくってる若い男の人だ。確かにその人の装備はまあまあ強そうだけど、俺の剣に比べたらそこまでって感じなんだよなー見た目。


 でも、まあ見た目で判断できる訳じゃないだろうし、油断せずに行こう。相手の自信はそれ相応の実力からであるだろうし、感覚を研ぎ澄まして、全力で立ち向かおう。


「はっ!」


「は、速い!!」


 うん、スピードは俺の方が速いようだな。相手はSTRにかなり振っているのだろうか。それならばこのまま翻弄させてもらう!


 刀はリーチが長い、素手の俺は距離が開くと分が悪い。だから、超接近戦、ショートレンジで戦う!


 一気に距離を詰め、殴る。相手が離れる前に殴る。離れられたら、すぐに距離を詰める。気持ちはボクサーだ。なんちゃってだけどな。ストレートではなく、フックやショートパンチで攻撃していく。


 攻撃の手はやめない。攻撃される前に殴り倒す。徐々に蓮撃が溜まってきて攻撃力も上がっている。


 相手が一気に距離を開けて来た。ギリギリ詰めきれない。相手はスキルを発動する様だ。切り下ろし単体のとても威力か高い技の様だ。未来予知はほんと便利だな。


 相手の会心の一撃を、ギリギリで体勢を低くしてよけ、そのままアッパーカットで……KOだ。


「ふぅ、楽しかったな」


 剣じゃなくて、素手もやっぱり楽しいなー。こうなんというかヒリヒリ感があって命懸けで戦ってる感がたまらない。生きてるってとても実感できる。素手は現実でも役に立つからな、もっと練習を重ねよう。


 そういえばこのチンピラ? ヤンキー? どっちでもいいか、は案外そうでも無かったな。あんだけ煽ってきたのに今頃恥ずかしい思いしてるのかな? まあ、どうでもいいことだね。俺が初期装備で油断させてしまったのもあるだろうし、ごめんなさいだな。


 これで八人目か、後二人は倒したいな。



ーーー残り人数四十八人

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