第40話 依頼
ギルドに着いた。ここで依頼を沢山こなしてイベント前までにはお金を払い終えたいな。よし早速依頼を確認しよう。
んー。モンスターはピンキリで報酬金が超高いやつからそこそこのやつまて結構幅があるな。流石暗殺ギルドなのか、もともと報酬金はかなり平均的に高い。
だが、モンスターの討伐となると相手の強さと報酬金が比例している。そのため俺が速攻で倒せそうなものは報酬も低いし、苦戦しそうなほど報酬も高くなる。だからどのみち時間効率が悪い。
そこで見つけたのが暗殺だ。人相手だと勝手が変わるのか仕事の割には報酬が高いように感じられる。まあモンスターと比べているから楽に感じているだけだろうが、それでも例えば盗賊の殲滅もしくは捕獲とかは虎とか海龍に比べると酷く簡単に思えてしまう。
まあもちろん暗殺の仕事と言ってもさっきの盗賊とかは比較的安い方で高い方だと王族の護衛などがある。ただ、護衛となると時間を一定数取られるのでこちらの実力で早まることかないので効率が悪い。
となると、暗殺系で一番報酬がいいのは……これか、薬物取引や殺人、人身売買等を行なっている闇組織の解体、だな。人身売買って奴隷だろ? こいつらなかなかエグいことやってんな。これなら思いっきり倒しても大丈夫だろう。みんなが幸せになるだけだ。
組織の名前は「ディグニッシュドグラス」長いな。略してディグドだな。この組織はアジトの位置も把握しているらしい。ただ立地がかなり悪く中々攻めづらい場所で大人数で大掛かりにはいけないそうだ。だから、このギルドで少数精鋭で倒して欲しいということだろう。
ただ、相手もかなりの強者でこちらも何度か派遣しているのだが、尽く返り討ちされて、死ぬか、命からがら逃げ延びることしか出来ていないらしいし。
でもこれはかなり報酬が旨い。成功報酬百五十万だ。一気に目標の半分近くを達成出来ることになる。これはいくしかない。複数人で行くと山分けになって報酬が減ってしまうからもちろん一人でいく。
しかも報酬が良いだけでこの依頼を受けるのではない。まあそれがでかいが、闇組織なら沢山の財宝とかを持っていると思うんだよな。それを少し頂戴できたらかなり良い値段にいくと思う。もしかしたら報酬を超えてしまうかもしれない。まあ、ないかも知れないのでそんなに期待せずにいこうと思う。
「すみません。この依頼を受けます」
「おう、って何!? この依頼だと? かなり危険だぞ? 一人で行くのか? いや、でも確かにお前ならいけるのか? いけてしまうのか? いや、でもなー……いや、信じよう。お前なら出来るさ。
それでも危険なことには変わりないからな。充分に気をつけて自分の身の安全を第一に考えろよな。依頼を絶対に成功させようなんて気張らなくていいからな。今までの先人達も成し遂げられなかったことだから、逃げることも恥ずかしいことじゃないからな。
それでも行くんだろ? 必ず帰ってこいよ」
「はい」
この依頼はこのギルドと因縁でもあるのだろうか? 明らかに受付の人の対応が変わった。まあ俺は死んでも生き返るから何度も挑戦すれば良いだけだしなー。うん。気楽に行こう。
それよりも、人を相手にする事が初めてだからそれが上手くいくかどうかだな。モンスターと勝手が違うだろうからそこだけは注意しておかないとな。
場所は密林の奥、密林とその隣の洞窟がある岩場のちょうど境目くらいにあるらしい。ゲーム特有の様々なバイオームがもう空気を読まず隣あってる世界だから、攻めるのも難しい特殊な立地になったんだろう。
っていうか、めちゃくちゃ遠くね? そういうのって支部とかないのか? この街にも被害が出てるだろうから、この街における活動拠点みたいなのないのか? いや、あるよな。まあ大元を潰せばそれでいいのか、なら行こう。
「行くぞー! ハーゲン!」
うん、相変わらずハーゲンは大きくて乗り心地も良い。最近はかなり酷使しているからなー、お金払い終わった後にでも休みの日を作ってあげるかー。俺の死に戻りにも付き合ってくれてるからな俺も何かに付き合ってあげよう。何が好きなのかイマイチわからないが。
ん? あれか? 相変わらず速いな。でっかいアジトでいかにもって感じだな。形お城っぽいけどパイプとかで剥き出しでいかにも悪の組織感が出てる。空気も悪いしな。
ん? 見張りが立ってるな。これって殺してもいいよな? いや、ダメなのか? でも下っ端まで捕まえてたら埒あかないからな、素通りでもいいけどバレるのはめんどくさそう。
んー。あ、気絶させればいいのか、殴って。
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