第26話 死霊魔術
「条件を満たしました。【死霊魔術】を取得しますか?」
お? ついにきたー! やっと念願の魔術だ! これは取るしかない!
ーーースキル【死霊魔術】を獲得しました。
【死霊魔術】‥死に関する魔術で使役、召喚、蘇生、呪縛を使用可能。
「【死霊魔術】の獲得により、他の魔術の取得が不可能になります」
ーーー称号《死を操りし者》を獲得しまし
た。
《死を操りし者》‥死霊魔術を獲得する。
「条件を満たしました。《死の考察者》《死を克服せし者》《死を操りし者》の3つが統合されます」
ーーー称号《死を齎す者》を獲得しました。
《死を齎す者》‥死に関する三つの称号を獲得する。相手に死を齎すスキルの効果上昇。
ちょ、ちょ、一旦落ち着こう。一気に起こりすぎだろこのゲーム急に天の声さんが止まらなくなる時があるからなぁ。
よし、整理しよう。今、俺は死霊魔術をゲットした。すると称号をゲットした。簡単に言うとこれだけだな。そして効果が二つとも結構えげつない。スキルは四つも使える技があって、称号はもう相手を殺すことしか考えてないだろ。俺はどちらかというと自分を殺しまくってたんだけどな……まあ、どうせ自分にも適応されるからいいか。
「ん? なんか忘れてないか? ってあ! あの元冒険者!」
死霊魔術でテンション上がっちゃってすっかり忘れていたぜ。ってことはあのボスが死霊魔術を使って冒険者達を使役していたんだな。それが行方不明者だな。そして今俺が死霊魔術をゲットしたと。これは元に戻せるかもしれない! やってみるか!
「【死霊魔術】、蘇生!!」
「MPが不足しているため、不足分のMP分のHPが消費されます」
俺がスキルを発動すると、MPが足りなかったようだ。それもそのはず、俺はMP10しかないもんな。それはいいんだがその後が問題だ。不足分のHPが消費されてるはずだが、称号の効果で生き残ってしまっている。これっていいのか? まあ、ダメでもどうしようもないんだがな。
蘇生をかけられた人達はというと、骨だった元冒険者達に徐々に肉がつき始め数秒で元の体に戻ったようだ。
「ん? ここは?」
「あれ? 確かキングリッチにやられたはずじゃ?」
「生きてる!?」
おー!! みんなしっかり蘇ったようだな。使役されてる間の記憶は無いようだな。まあそっちの方が健全だな。人を攻撃した記憶なんてものもあるかもしれないからな。
よし、さっさと帰って報告しよう! あ、みんな呆然としてる様子だな。ここに居てもしょうがないから帰らせるか。
「みなさん、もう帰っていいんですよー? 帰りましょう!!」
みんなは現実を受け止められていないようで、俺の言葉でやっと現実が見えてきたらしく、涙を流したり、感謝を述べたりしていた。
俺はこういうことは性に合わないっていうか、慣れてないので、さっさと行きましょう。みんなが無事なら大丈夫でしょう。
「これで一件落着だな! よし、ハーゲン、帰るぞ!」
こうして戻って事の顛末を全て話すと暗殺ギルドだけでなく、冒険者ギルドの人達にも感謝された。まあ、たまには感謝されるのも悪くはないな。恥ずかしいけど。
よし、レベルも上がったしステータスを確認しておこう。
▪︎ライト Lv.62
職業:修行僧(修羅の道II)
HP 10/10
MP 10/10
STR:1(+60)
INT:1(+60)
AGI:1(+60)
DEX:1(+60)
VIT:1(+68)
LUK:1(+64)
スキル:new! 【死霊魔術】
称号:new! 《死を齎す者》
SP:385
こう見ると今回の件でだいぶレベルも上がったな。俺はレベルとステータスが連動してないから、定期的に死なないと、レベルの割に弱い、みたいになりかねないから、この後はどうにか死にに行こうかな。
などと考えていたら、
「おい! ちょっといいか」
受付の強面に呼ばれた。
「今回の件を含め、今までのお前の功績から判断してお前のギルドランクをあげたいと思う。今までお前はGランクだったんだが、今回からは、Eランクだ! 飛び級はかなり珍しいことなんだがお前はそんだけ凄いことをしたってことだな。
実の所お前はもっと高いランクでもいいんだが、この街のギルドではEまでしかあげられないんだ。次の街に行って依頼をこなせばすぐにでも上がるはずさ。これからは次の街へ進むといい」
おーよくわからんが色々な情報が来たぞ。ランクってあったんだな。入るとき色々あって覚えてないぞ? まあいいか、そして次の目的地が決まったな。
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