第27話 感電死


 なんだかんだあって次の目的地が決まったんだが、そう言えばまだ武器を頼んだままだった。一ヶ月後に取りに行くって言ったから、もうそろそろだな。今から次の街行って、また戻ってくるのもめんどくさいので、武器を貰ってからにしようと思う。


 で、その間何をするかだけど、取り敢えず死にたい! 俺は死なないとステータスが上がらないからな……せめてレベルが上がった分のステータスは上げておかないと、勝てなくなるからな。


 それに加えて、ギルドの依頼も良いのがあればこなそうかな。


 今回は感電死をしようと思う。依頼でサンダーバードってのがあったと思うからそれを倒すついでに、感電する。


 ここで、問題なのが俺もステータスも上がってきて、防御力も高くなったからそこが心配ではある。どちらにせよ一発では死ねないから、食らう直前に自分で刺すっていう動作をしないといけないんだが……



 ギルドに着いた。ギルド内の掲示板を見ると、サンダーバードもあるが、それより強そうなボルテクスバードってのがあるんだが……これに行くしかねーよな。かなり強そうだ。


 そうして、依頼を受けてきた。受付の人に聞いたんだが、前に行った洞窟で分かれ道があっただろ? そこで俺は左に行って骨を倒したんだが、そこで右を曲がってたらその骨の王様が集めた財宝が隠されていたらしい。


 何故、自分と離れた場所に置いていたのかは謎らしいが、恐らく自分が倒された時に奪われないようにする為だろう。自分が死んだ後はどうでも良さそうだが、まあもうすでに死んでるみたいなもんだし、考え方も違くて当然か。


 おっと、話が逸れたな。今はボルテックスを狩りに行かないとな。場所は森の奥深くらしい、なんだかんだで久しぶりだな。よし、


「ハーゲンッ!!! 行くぞー!」


 相変わらず、大きくて、速くて、ハゲてる。まあ、ハゲてても普通に貫禄あってカッコいいんだけどね? それに、目的地が見える状態で行けるから、迷いようがないね。うん、非常に便利だ。


 そんなことを考えてたら、あっという間に着いた。流石ハーゲンだな。


 ってか、結構奥だな……こんな所にいるのか? と思ってたら、地面にでっかい巣を作って卵を抱えて寝ていた。


 おーぐっすり寝ているし、ここに爆弾とか置きまくったら一発で倒せそうだな。まあ、しないけど。


 どうやって起こそうかな? ちょっと頭の方を突いてみるか。「チョンチョン」っと…


「ギャァ……グェエアアアアーーー!!!」


「うるせーー!」


 一瞬、ん? みたいな顔したと思ったら思いっきり叫びやがった! めっちゃ耳、ギーンってなったぞ! もう、さっさと死のう!


「あ、ナイフで刺すの忘れてた」


 案の定HPは1耐えたが、ボルテクスバードの嘴の攻撃でやられてしまった。感電しに行ったはずなのに、食いちぎられたぞ、おい。


 気を取り直して、いきますか!



ーーー四時間後


 やばい、この死に方めちゃめちゃ効率悪いぞ。そもそも移動に時間かかる上にボルテクスバードの雷攻撃自体そもそも多くなくて、嘴とか羽で攻撃してくる関係で四時間経っても、感電死したのはだいたい五十回ぐらいだな。


 まずい、非常にまずい。今日出来るのが後一時間くらいだから、これは明日に持ち込みかなー。最低でも百、目標は二百死にたいからなー。取り敢えず残り時間頑張るか。



「ふぁー」


 取り敢えず今日はこれで終わりだなー。そろそろ眠いし、明日でいいだろう。死んだことによる成果はないが、思わぬ成果はあった。


ーーースキル【操縦】を獲得しました。


【操縦】‥乗り物、魔物に乗っている時のスピード、操作性が上昇。


 思わぬ副産物のおかげで、移動時間は短縮された。これもハーゲンのおかげだな。


「明日もよろしくな、ハーゲン!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る