死にたがりが逝く！〜ステータスを振らない男の無双譚〜

第23話 報告

「ん？　お前もしかして北の砂漠に行ってたのか？」

　え、これもしかして違うやつ？　あっ、そういえば洞窟がなんとかって言ってたような……？　やっべー間違えた！　ってか、北砂漠？　たしか西の洞窟だったよな？　どこでそんなに間違えたんだ？　くっそーまじかー！

「す、すみません！　すぐに行ってきます！」

「ちょ、おい！　ちょっとくらいゆっくりして行けよ。それに、あのカエクスディプロザウルスも結構な危険モンスターなんだぜ？　砂漠を通る人達からは砂漠の悪魔って呼ばれてるくらいだしな。お手柄だぜ！　ちょうどその依頼もあったと思うから依頼完了にしとくぜ。お疲れさん」

　お、おう。良かったー。この人良い人で助かったー。って砂漠の悪魔って呼ばれるくらい強かったのか……無事に勝てて良かったな。

　それにしても食われたらどうなるんだろ？　噛み砕かれたら死ぬだろうけど、丸呑みされたらどうなるなんだ？　胃液に溶かされるのか？　胃液って毒に入るのか？

　毒なら無効出来るけど流石に毒ではないか。なかから一方的に殴れると思ったがそんな甘かねーか。

　っと思考が横道に逸れてしまったな。依頼完了にしてくれたおかげで懐も温まったな。ここの依頼は報酬がいいから、もう何個か依頼受けてもいいな。

　早速洞窟に向かっても良いがレベルアップしたことだし、ステータスをみてから行こう。

▪︎ライト　Lv.54

職業:修行僧(修羅の道II)

HP 10/10

MP 10/10

STR:1(+60)

INT:1(+60)

AGI:1(+60)

DEX:1(+60)

VIT:1(+68)

LUK:1(+64)

スキル:new! 【服従】

称号:new! 《帝王の討伐者》《死の考察者》《死を克服せし者》《ゾンビアタッカー》

SP:340

　新しいスキルの服従のことなんか素通りしてたな。強いな、っていいう印象で終わってた気がするけど、なかなか使えるきがする。プレイスタイル上、人と一緒に行くことがあるのか怪しい俺からするとありがたいスキルでもある。

　さっき使ってみればよかったけど、あいつはな……でかいしキモいしで流石に服従させるのには向いてないだろ。

　名前的にテイムの上位互換なのかな？　でも、テイムは仲良くなる感じあるけど、服従させてるからなー。下位互換な気もする。

　ステータスはだいぶ首吊りで稼いだな。あのミミズの時もかなり速くなってた気がするし、パンチの威力も上がってたと思う。

　それにしても謎な称号三兄弟の死霊魔術はそんなに強いのだろうか？　早くゲットしたいなー。

　まあ、服従もいい感じのモンスターがいれは使おうかな？　でも、出来れば仲良くなりたいんだけどね。経験値もらえるから、服従させた奴を育てて、どっかに放っておけば自動経験値装置が一瞬で出来るけど、そんなに経験値に魅力を感じないから今すぐはしないくていいや。必要になった時にしよう。俺には修羅の道で経験値も増加してるしね。

　よし、今度こそ洞窟に向かうぞ。流石に。今は立ち入り禁止になってるらしいから急がないといけないわけじゃないけど、早い分には構わんだろ。それにさっき間違えた分を早く取り返したいし……

　西だよな。大丈夫、絶対大丈夫。前回は何故か北に行ってしまったが、それは一旦忘れる。前回行ったのが北で、目的地が西だから、前回通った道を向いて、左を向く！

　これで流石に洞窟へ行けるだろう。あとは真っ直ぐ行くだけだしな！

ーーー二時間後

　おっ、なんか怪しげ？　な雰囲気になって来たぞ！これはもうそろそろで着くな。

　ん？　なんか怪しげっていうよりは、なんかこう、鬱蒼とした雰囲気というか暗く思い雰囲気だな。ずっとこんな所にいたら病んでしまいそうか雰囲気だな。薄暗く太陽もでてないし、地面もべちゃべちゃしてるな。

　ここは気候的には年中雨みたいな設定だろうか。辺り一面湿地帯が広がっていて、霧もうっすら立ち込めている。

え！　俺もしかしてまた間違えてる！？

「どこにも洞窟なんて無いんですけどぉー！！！」