第11話 初任務


「初任務、キングオークの討伐に行ってもらう」


 いや、うん。あれ? これ無理なやつだよね? もしかしてまだ明らかに入れない所に無理やり入っちゃった感じ? やってしまったかも……


 かなり邪道な手段で試験官に勝ってしまったせいで、俺の実力を完全に信頼仕切っている感じだし今更、ノーとは言えないし、どうしたものか……


「キングオークは定期的にオークの群れから出現するにも関わらず、生半可な者が行くとやられてしまうからな、我々ギルドが処理しているのだ」


 いや、うん。今欲しいのは理由じゃないんだよね。


「き、期限とかってあるのでしょうか? 少しよ、用事が立て込んでましてー……」


「ん? 期限か? そんなもの基本的には無いぞ? みんな大抵すぐ倒してきてしまうからな。だが、用事があるならしゃーないな。んーまあ一週間程度なら大丈夫だろう。しかし、それを過ぎると任務失敗となってギルドに入団できなくなってしまうから、気をつけることだな」


 ま、まじかー……い、一週間か。まあ今すぐじゃなかっただけましか。出来るだけ準備をしてから臨むことにしよう。


「わかりました。しっかりと準備をして任務に向かいたいと思います」


「準備? お前程の者ならば準備など要らないと思うが、まあお前がいうなら必要なことなんだろう。期限には遅れなければ何をしてもいい。討伐したかどうかはギルドカードでわかるようになってるから、安心して殺ってこい!」


「はいっ!」


 すごくキラキラな笑顔で恐ろしいことを言われた気がするが、気にしてはいけない。しかし一週間か、それなら出来るだけレベルを上げないとだな。


「とりあえず、ステータスを見てみよう」



▪︎ライト Lv.35

職業:修行僧

HP 10/10

MP 10/10

STR:1(+10)

INT:1(+10)

AGI:1(+10)

DEX:1(+10)

VIT:1(+18)

LUK:1(+14)


スキル:【刺突無効】【頭突き】【HP自動回復】【恐怖耐性】【毒無効】【潜水】【看破】【格闘技】【蓮撃】【龍化】【危険察知】


称号:《無謀なる者》《狂乱者》《百の屍を超えし者》《ホーンラビットの憐み》《博愛主義》《キノコマスター》《自傷者》《湖底の探索者》《龍の討伐者》《龍神の祝福》《生身》《不屈の精神》《修羅を歩む者》《道を切り開く者》


SP:235


▪︎装備

頭:旅人の帽子

胴:旅人のシャツ

腕:旅人の手袋

腰:旅人のズボン

足:旅人の靴


 スキルはまあまあだが、称号が多いな…正直自分でも把握しきれてないぞ。んー今、出来ることと言えばステータスを振ることと、装備を変えることぐらいか?


「それで間に合うか?」


 キングオークって名前からしてやばそうだぞ? 刺突を使ってくるやつなら無双できるんだが、オークを倒したこともないやつがステータスを少し上げただけでキングオークを倒せるのか? 装備なんてお金無いから尚更無理だよな?


「やばい、俺詰んでね? ……あっそう言えばなんか俺ステータスの横になんかプラスついてんな」


 これはなんだっけ? あぁ、称号のお陰で色々上がってんのか。それにしてもこんなに上がるもんか? 一つ一つ確認してみるか。


 ……わかったぞ。これは俺が死ねば死ぬほどステータスが上がる様になってるぞ。およそ五百回くらいは死んでる計算になるな。


 ……なるほど、ということは今から死にまくればいいってことか。


「なんだ、簡単じゃねーか。今までやってきたことだしな」


 それに、死ななくていいかなってなっただけで、死ぬことへの恐怖を完全に克服した訳じゃないし、いずれ俺は死ぬんだから慣れておく分には構わんだろ。


 そんな訳で俺は再び森の方へと歩み始めた。

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