第8話 ギルド登録


「ってか色々と多すぎだろ!」


 スキルと称号がめっちゃ増えたと思ったらまた、天の声さんだ。さっきもMVPとか言ってたけど、今度はなんだ? 修羅の道?


 よくわからんけど、取り敢えず強そうだな。やってみるか。


「修羅の道が選択されました。修羅の道とはスキル、称号の効果を上昇させ、さらに取得経験値が増加されます」


ーーー称号《修羅を歩む者》

   称号《道を切り開く者》


ーーー職業が〈修行僧〉に変更されました。


《修羅を歩む者》‥修羅の道を歩み始める。全ステータスに微補正。


《道を切り開く者》‥初めて修羅の道を歩む。SP10獲得。


「お、おう。SP100もとられただけあって強そうな効果だな。でもなんかざっくりしてるからあんまり効果を実感できないかもしれんな」


 んー。これからどうしようか。真っ当にゲームを攻略し始めようと思い立ったのはいいが、何をすればいいか分からない。


 普通のゲームだと最初にすることをしてないわけだから、それらをすればいい。


 最初にすることと言えば……


「あっ! ギルド登録か!」


 そう俺はギルドに登録をしていない。そりゃそうだ。何もする気はなかったんだからな。


 まあこれを機会に登録しに行こう。


 ん? 俺、どうやって帰るの? ここどこ? ああ神殿か……


 ここから戻るのはとっても面倒くさいと思っていたらポータルが目の前に現れた。


 ボスを倒したから出現したのだろう。せっかくあるのだから使わない手は無い。




 おっ、いつも通りの始まりの広場と思ったら湖の上だな。まあ流石に始まりの広場までは戻してくれないかー。


 ここから戻るのも面倒くさいので死にますか!


 でも、HP自動回復が強化されたせいで、食らったダメージは一瞬で回復してしまう。


 んーどうしようか。はっ! 一番オーソドックスな死に方(だと思ってる)の首吊りなら死ねないかな?


 取り敢えずやってみよう。


 まずは丈夫なロープがいるな……んー流石に持ってないので、近くにあったツルを使う。


 一本だと頼りないし、確実にツルがちぎれるので、たくさん集めて頑丈にする。


「よし! 完全だ!」


 これで死ねる! で太くて強そうな木に括り付けて、いざ、死なん!




 よっし今度こそ始まりの広場だ! もうお馴染みすぎて何も思わないな。


 死ぬ時に自動回復が抵抗するのかと思ったが案外すっといってくれたな。苦しくないのは助かる。


 ギルドに今から向かうんだが道わかんねーなどうしよう。今さら行くやつなんていないだろうから人に聞くとか恥ずかしいし、うーん、取り敢えず歩き回るか。


 ずっと歩いてるけど、なかなかそれらしき建物が見当たらない。


「おっ! これか? ようやく見つかったぞ!」


 そこには少し大きくて立派そうな建物があった。


 長かったなようやくだぞ。これでクエストとかをうけられるな!


 中に入ってみると案外、人が少なくて、静かな雰囲気だ。思ってたのと違う感じだけど取り敢えず受付にいこう。


「うぉっ……」


 やべぇ声でちゃった。受付の人がかなり強面の丸刈りサングラスの人だからびびってしまった。


 この世界は中途半端な人では冒険者としては生きていけないのだろう。受付からしてその厳しさが伝わってくるぜ……


 普通は綺麗な女性だったり、オバさんだったり、するんだろうけど、こんなゴリゴリの人とは思ってなかったな……


 まあしょうがない、気持ちいれて頑張ろう。


「すみません。ギルドに登録したいんですが?」


「……はぁ?」


 やべぇ、キレられた。これは終わったわ。


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