第4話 毒死


 俺は奇妙な色のキノコを見つけた。この色はまるで、よく走り回るおじさんが食べると大きくなるあの、キノコにそっくりだ。


 絶対に毒あるだろこれ、なんか生で見るとかなり毒々しいな。あのおじさんはこれをいつも食べているのか……よし、食うか。


「頂きます! あれ? 意外とうま


 気づいたら俺は始まりの広場にいた。俺は未だにレベル1で、ステータスも無に等しいから、毒が回った瞬間に死んだのだろう。


 でも、これでは意識する前に死んでしまうから、死ぬのに慣れるどころじゃないな。


 あ、そういえばウサギに殺されまくった時は刺突耐性をゲットしたから、今度は毒で死にまくったら耐性を貰えるかもしれないな。


 そんな訳でひたすら毒キノコを探しては食べて、死んだ。


 毒キノコって言っても色々種類があるんだな、そんなことを身をもって体験した。


 そして、ついに……


ーーースキル【毒耐性】を獲得しました。


ーーー称号《キノコ喰らい》を獲得しました。


【毒耐性】‥毒の効果を軽減する。


《キノコ喰らい》‥五種類以上のキノコを食べる。キノコの効果微上昇。


 よし、やっとお目当ての毒耐性をゲットしたな。でもついでにキノコ喰らいもゲットして、キノコの効果が上がってる……まあ一撃で死ななければ大丈夫だろ。


 そんな訳で再び森、毒キノコ発見、食べる。


「うぐっ……くはっ……


 



 ……はっ!!」


 また、始まりの広場にやってきていた……


 正直に言おう、毒、めっちゃきつい!


 吐き気を何倍にもして、頭痛も酷くて、全身が痒い感じだった。ひたすら気持ち悪い。


 これは参るな、でもこれに慣れたらもう、怖いものなしだろ、ここでひと頑張りだな。


 そうして、俺は毒キノコを食って、食って、食いまくって、死にまくった。もう何十回、何百回と死んだかわからない……気づいたら、


ーーースキル【毒無効】を獲得しました。

   

ーーー称号《キノコマスター》

   称号《自傷者》を獲得しました。


【毒無効】‥毒の効果を無効にする。


《キノコマスター》‥キノコを百回食べる。キノコの効果上昇。


《自傷者》‥自分で自分のHPを百回全損させる。VITに微補正。


なんか、やたら沢山ゲットしたなー。一旦整理すると、



▪︎ライト Lv.1

職業:旅人

HP 10/10

MP 10/10

STR:1(+2)

INT:1(+2)

AGI:1(+2)

DEX:1(+2)

VIT:1(+6)

LUK:1(+4)


スキル:【刺突無効】【頭突き】【HP自動回復】【恐怖耐性】【毒無効】


称号:《無謀なる者》《狂乱者》《百の屍を超えし者》《ホーンラビットの憐み》《博愛主義》《キノコマスター》《自傷者》


SP:50


▪︎装備

頭:旅人の帽子

胴:旅人のシャツ

腕:旅人の手袋

腰:旅人のズボン

足:旅人の靴


 スキルも称号もかなり増えてきたな。本当に使わないから宝(かどうか怪しいが)の持ち腐れ状態だな。


 それよりもまあ、薄々気付いていたが、そう毒無効だ。これでもう毒キノコでは死ねなくなったな。


 ああ、また別の死に方を探さなければいけないな……だいぶ死ぬこと自体には慣れたんだが角ウサギも毒キノコもあまり現実的では無かったな。


 だから今度は現実的な方法で死にたい。


「よし、また森を探索するか!」


 こうして俺は再び死を求めて森を歩き回るのだった。


 そして、探索の末に見つけたのは……


 湖だ。


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