第3話 ウサギとのお別れ


「うぅ……死んだか……」


 気がつくと再び最初の広場に戻っていた。


 咄嗟に頭を出して良かったなー。多分急所判定があるから、クリティカルでも出たんだろう。ひとまず、良かった。


 ん? また、なんか称号をゲットしてる。


《狂乱者》‥痛覚設定を75%以上の状態で死ぬ。VITに微補正。


 称号ってこんなにぽんぽんとれるもんなのか? まあ、勝手にくれたもんだから素直に受け取っておこう。


 それよりも、モンスターで死ぬの痛くね? かなり痛くて発狂しそうだった。かなり、やばかった。


 普通に考えて、自分の足より大きい角に刺されるんだぞ? やばくね? でも、慣れる為に始めたんだし、頑張るか!


 そして、俺はあの角ウサギもといホーンラビットに刺され続けた。そして、死んだ回数が十回を超えたあたりで、


ーーースキル【刺突耐性】を獲得しました。


【刺突耐性】‥相手の刺突による物理攻撃を軽減する。


「ん? スキル? そういえば、初スキルだな。初スキルが刺突耐性ってどうかと思うが、まあしょうがない。とっとと次行こう」


 そして、俺はあの角ウサギに何度も何度も殺され続けた。もう何度目か分からなくなってきたところで、


ーーー称号《百の屍を超えし者》

   称号《ホーンラビットの憐れみ》

   称号《博愛主義》を獲得しました。


ーーースキル【刺突無効】

   スキル【恐怖耐性】を獲得しました。


《百の屍を超えし者》‥一定時間に百回死ぬ。死んだ回数に応じてで全ステータス極微補正。


《ホーンラビットの憐れみ》‥ホーンラビットに百回殺される。スキル【頭突き】を取得。


《博愛主義》‥自分が百回死ぬまでに一度もモンスターを殺さない。【HP自動回復】を取得。


【刺突無効】‥刺突による物理攻撃を無効にする。


【恐怖耐性】‥恐怖を感じた時に、恐怖を軽減する。


 なんかいろいろゲットしまくったなー……多すぎてよくわからないが、一つ見過ごせない奴がある。刺突無効だ。


 刺突耐性をゲットした時でさえ、死ぬまで長くなるから、嫌だったのに、とうとう無効と来た。これではウサギでは死ねない。


 んー死に方を変えなきゃいけないなー……だいぶ慣れたとはいえ、現実ではこんな死に方できないんだし、ちょうどよかったか。


「別の死に方を探しにいくか!」



❇︎



 そんなわけで俺は森を探索していた。あのウサギにあってもどうせ殺されないから、快適に探索できるな。


そして、森の中を歩いていると、俺は奇妙な色のキノコを見つけたのだった。


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