第2話 初死
相変わらず急だな……
ここは、始まりの広場だな。とりあえずステータスを確認してみよう。
▪︎ライト Lv.1
職業:旅人
HP 10/10
MP 10/10
STR:1
INT:1
AGI:1
DEX:1
VIT:1
LUK:1(+2)
スキル:
称号:《無謀なる者》
SP:50
▪︎装備
頭:旅人の帽子
胴:旅人のシャツ
腕:旅人の手袋
腰:旅人のズボン
足:旅人の靴
《無謀なる者》‥ステータスを一切振らずにゲームを始めた者に送られる。LUKに微補正。
ん? なんか、称号をゲットしてるな。無謀なる者かー。うん、実際に無謀だから何も言えない。まあ、どうせ死ぬだけだしいいんだけど。
まあ効果が良いのか悪いのかはあんまり関係ないし、称号なんてそんな取ることなんてそもそもないだろうし、気にしないでおこう。
んー、最初はどう死のうか……よし、モンスターに殺されよう。モンスターがいる場所は、、、始まりの森が近くにあるらしい。
「とりあえず行ってみるか!」
ってか、どのくらい死んだら慣れるのだろうか? もう死ぬことに関して何も感じなくなるくらいに死ねばいいのか? できるのか?
おっ、早速モンスターを発見したぞ! 名前は近づいたらモンスターの上に表示されるんだな。
〈Lv3 ホーンラビット〉
まさしく初級のモンスターって感じだな。よし、
「さぁ、俺を殺せ!」
俺はウサギに対してハグでもするかのように腕を広げ、その場で固まった。
攻撃をしてこない俺に対して少し戸惑っているようだが俺が近づくにつれて徐々に敵意を露わにして、ついに……角で腹を刺された。
「うっ…… ん? あれ、あんまり痛くない?」
一旦、角ウサギから離れてHPを見てみると、三割ほどダメージを食らっている。まあステータスがほぼゼロだからこんなにも受けているんだろうけど、削られたHPに対してあまり痛みが伴ってない。なんでだ……?
「あっ、そういえば天の声さんが痛覚設定とかなんとかいってた気がする」
そうだ、そうだ初期設定はかなり低めに設定されてるっていってたような気がする。取り敢えず痛覚設定を変更しよう。
今は最低の10%に設定されている。うん、俺は痛みにも慣れないといけないから、100%にしよう。
「痛覚設定を100%に設定しますと、現実の痛覚とほとんど同じになります。よろしいですか?」
うぉ、なんか急に喋りかけられた。天の声さん久しぶり。
もちろん了承する。この為にきたんだから当然だ。よし、これで大丈夫だな。
「おっ、いたいた。また会ったな」
先程と同じウサギかは分からないが、再び戻ってきた。さあ、来い!
ん、って待てよ? 現実と一緒なら、さっきと同じように腹に食らったらめっちゃ痛そう。やばい、来るっ!
俺は咄嗟に左腕でガードした。
「痛え!!!」
めっちゃ痛い! なんか注射される時の針の痛みを何倍、いや何十倍にもしたような痛みだ。これは、やばい。でも、この痛みに慣れないと死ねない……
痛みに悶えていると今度は右の脛に攻撃された。
「痛ってええええええーー!!!」
これはやばいまじで痛い。もう、はやく終わらせたい。でも、まだHPは半分以上も残ってる。
クッソ、なんでこんなに削れてないんだ? あっ、さっきと違ってお腹じゃないからか。痛みとダメージが全然伴ってないぞ!?
「やっべぇ、まじでどうしよ、もう終わらせたい……」
そうしている間に刻一刻とウサギが近づいてくる。
「そうだ! 急所を攻撃させればいいんだ! ……でも流石にあそこは嫌だな……」
そう考えた俺はウサギが攻撃してくると同時に頭を突き出した。
そして気がつくと俺は始まりの広場に戻ってきていた。
ーーー称号《狂乱者》を獲得しました。
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