第141話

~異世界召喚されてから1日目~


【名 前】 ハル・ミナミノ

【年 齢】 17

【レベル】 46

【HP】  404/404

【MP】  449/449

【SP】  478/478

【筋 力】 363

【耐久力】 360

【魔 力】 445

【抵抗力】 386

【敏 捷】 416

【洞 察】 411

【知 力】 1031

【幸 運】 15

【経験値】 7450/400000


・スキル

  K繝励Λ繝ウ

  人体の仕組み

  諠第弌縺ョ讎ょソオ

  自然の摂理

  感性の言語化

  第四階級火属性魔法耐性(中)

  第三階級火属性魔法耐性(強)

  第二階級以下火属性魔法無効化

  第一階級水属性魔法耐性(中)

  恐怖耐性(強)

  物理攻撃軽減(強)

  激痛耐性(強)

  毒耐性(弱)

  槍技三連突き

  剣技連撃

  剣技十字斬り

  剣技一閃

 

・魔法習得

  第一階級火属性魔法

   ファイアーボール

   ファイアーウォール

  第二階級火属性魔法

   ファイアーエンブレム

   フレイム

  第四階級火属性魔法

   ヴァーンストライク

   ヴァーンプロテクト 

  第五階級火属性魔法

   フレアバースト


  第一階級水属性魔法

   ウォーター


  第一階級風属性魔法

   ウィンドカッター

  第二階級風属性魔法

   ウィンドスラッシュ


  第一階級土属性魔法


  第一階級闇属性魔法

   ブラインド

  第二階級闇属性魔法

   アイテムボックス

  第三階級闇属性魔法

   ブラックアウト

  

  第一階級光属性魔法


  第四階級光属性魔法

   テクスチャー


  無属性魔法

   錬成Ⅱ




 フェルディナンは最後に何か言っていた気がした。


(自分の国に何とかみたいな。奴隷生活を終えたら一緒に旅をしようって言いたかったのかな)



 オイ!


「お前!ここらへんの人間じゃねぇな?痛い目に──」


 ハルは声がする方へ振り向いた。不良達に約2年ぶりに再会する。いつものセリフが聞けて懐かしい気持ちになったが、不良はそのセリフを最後まで言わなかった。ハルの雰囲気に思わず尻込みをしてしまったようだ。ハルが訝しげにして近付くと不良達は後ずさる。


「…い、痛い目に合いたくないなら金だしな!」


 負けじと声を発する不良はセリフを言い直した。ハルはそのセリフを聞き終わるときびすを返して、走り去る。


 まずはサザビーへ行って、ゴブリンに襲われそうな女性達を助けよう。そして、なるべく目立たないように獣人国のクーデターを阻止する。


 今までと何ら変わりのないことを考えていたが、それでも空は晴れ渡り王都を歩くのは気持ちが良かった。すれ違う人々の表情がこんなにも煌めいて見える。ハルは無意識に微笑んだ。


 

<ゴブリンの洞窟>


 ハルは鎧とそれに見合った無機質な大剣を構えているゴブリンジェネラルとクネクネと曲がった杖をもっているゴブリンメイジと対峙している。


 2体のゴブリンは瞳孔が長方形に潰れ、羊の目のようだ。


 ゴブリンメイジは隣にいるゴブリンジェネラルにバフをかけ、特攻させる。振りおろされた大剣をハルは片手で受け止めた。


 ゴブリンジェネラルから大剣を取り上げてアイテムボックスにしまい、第二階級魔法フレイムで2体のゴブリンを滅却する。


 洞窟の奥へ進むと裸の女性達が檻に入れられていた。


「助けに来ました。皆さんを街へ帰します」


 ハルは彼女達に下がるよう告げ、檻を壊した。女性達は口々に感謝を述べ、もう一人の女の子が洞窟の奥へ連れていかれたことをハルに告げた。


「はい。わかっています」


 奥にある扉を開けると、地面と扉の底がすれる音が鳴り響く。


 扉の奥には裸の女の子がうつ伏せから起き上がる状態でハルを見ていた。


「き、救世主…様?」


 女の子はそう呟くとヨロヨロと立ち上がりハルに向かって走ってくる。そしてハルに抱きついた。抱き締めたら壊れてしまうのではないかと心配になるほど細い腕と腰にハルは少しだけ驚いた。頬にそばかすをちりばめている女の子にハルは告げる。


「ごめんね…今まで助けに行かなくて……君の名前はなんて言うの?」


「ネネ……救世主様は?」


「僕は救世主じゃないよ……ハルっていうんだ」


「ハル……様」


「様はつけなくていいよ?」


 ハルはサザビーへ彼女達を送った。道中、ネネはハルに抱きつきっぱなしだ。怖い想いをしたのなら当然の反応だ。ハルがあの時、自分を許せなかったあの時も誰かに寄りかかっていたいと思ったものだ。


 サザビーに着いたハルと女性達は、街の人と再会を喜んだ。抱き合う男女と彼女達の家族は涙を流していた。ハルはその光景を心に刻む。


 再会を味わった街の人達はハルを歓迎しようとしたが、ハルはそれを断った。


 自分にはまだすべき事がたくさんある。そう告げると、街の人達はハルを引き留めようとしなかった。しかし、ネネだけがハルから離れようとしなかった。


「行っちゃイヤ!!」


「こら、ハルさんを困らせるんじゃない」


ハルに再び抱き付くネネ。街の者は困った表情でネネを止めようとした。


 街の人達を制止ながらハルはネネの頭を撫でて言った。


「これから君のように困っている人を助けに行くんだ」


「でも……」


「それが終わったら必ずネネに会いに来るよ。今日の出来事を後になって思い出すかもしれない、怖い夢を見るかもしれない。でも忘れないで?それはネネの心が自分を正常に戻そうとして見るモノなんだ。君の心が頑張っている証拠なんだよ」


 ネネは目を開けると何かを決心したようにハルをじっと見つめた。


「僕なんか2年以上もかかって、偉そうなこと言えないんだけどね」


 ハルは頭をかきながら昨日までの自分を思い出していた。


「ハルも怖いの?」


「あぁ……今でも思い出すと足が震えるよ……でもそうやって人は生きていくんだって僕の友達が教えてくれたんだ。だから一緒に強くなろう?」


「うん!」


 ネネのこの笑顔をハルは心に刻んだ。そして王都へと戻り、フィルビーを救う道へと歩みを進めた。

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