第23話
~ハルが異世界召喚されてから4日目~
ハルはルナの元へと急いだが、
──って!しまった!!ルナさんの居場所が何処だかわからない!
なにも考えずにハルは駆け出していたのだ。咄嗟にそれぞれの学年、それぞれのクラスを回ろうとしたが、あることを思い出す。
以前の世界線で犠牲者は神学とダンジョン講座の先生、そしてルナだけだ、生徒は殺されていない。もし仮にルナが授業をしているクラスがあるのならそのクラスの生徒にも何らかの犠牲があった筈である。
「つまり!授業をしている教室にルナさんはいない!」
──ってことは余計わからん!!クソ!どこだ!
時間がない。
自分の愚かさに腹が立ったのはこれで何度目だろう。
走っている最中、教室から廊下へ襲撃者が吹っ飛ばされる所に遭遇した。
襲撃者は教室の扉を貫き、ハルの眼前を横切る。そして、廊下の壁へと激しく打ち付けられた。
襲撃者が吹っ飛ばされたのは3年生のAクラスの教室からだ。
破壊されたドアから制服を着た生徒が姿を現した。美しい金髪、毛先の一つ一つが鮮明で輝いているように見えた。その生徒は自分の掌に拳を打ち付けながら言った。
「まさかこんなことが本当に起きるとはな!?中等部からよくこんな妄想してたぜ?」
襲撃者は声のする方向を見て怯えていたが、近くにいたハルを見かけると嬉々とした顔に変化した。人質をとるかのように覆い被さる形でハルに向かってくる。
ハルはMPをあまり消費したくないと思っていた為、一瞬行動が遅れた。目前に迫る襲撃者、だかその襲撃者は脇腹を起点に身体をくねらせ、再び壁へと打ち付けられた。どうやら側面から攻撃を受けたようだ。
ハルがそう分析すると、目の前に、先程扉の近くにいた学生が、前蹴りを放った姿で立っていた。そして、足を戻し、ポケットから櫛を取り出して乱れた髪の毛を整え始める。
「大丈夫かぁ?ん?1年生か。一瞬魔法を出すかどうか迷ったろ?戦いの最中は迷ってちゃ駄目だぜ?」
気を失ってる刺客。
──なにこの人カッコいい……
「教室まで送ってやろうか?」
「いえ、自分で帰ります」
「そうか送ってほしいよなぁ!なんせ俺はブラッドベルの長男だかr…え?今なんて言った?」
「自分で戻れるので大丈夫です!」
ハルは脚に魔力を込めてその場をあとにした。
ハルのスピードを見たレイの兄レナードは櫛で横髪を撫で付けながら呟いた。
「へぇ~おもしれぇやつ」
校内を走り回ったハルは、ようやくルナを屋上で見つけた。
──まだ生きてる!
「間に合った!」
「ハル君!?どうしたの?…それよりこの騒ぎは?」
「僕にも良くわかんないんです!ただルナさんを助けに来ました!」
「ど、どういうこと?」
ルナは現在各教室で行われている襲撃について何も知らないようだったので簡潔に説明する。
「そんなことが!?それで私のところに?」
「はい!だから今すぐこの場から離れましょう!」
ハルは戸惑うルナの手を握り屋上から離れようとすると、屋上唯一の出入口である扉に人影が見える。
ハルは身構えた。
「はぁはぁ…いやぁ~探したぞ!」
ハルの張り詰めた緊張が一気に弛緩していく。現れたのはスタンだ。
「スタン先生!良かった!」
ハルはスタンの元へ行こうとすると、
「ハル君!待って!」
振り返るとルナの表情が少し強張っていた。
そしてスタンへと向き直るハルだが、
「へ?」
ファイアーボールがハルの顔面目掛けて飛んできた。
咄嗟のことでルナは防御魔法をハルにかけるのが遅れてしまう。ハルは諸にスタンの放ったファイアーボールを受けた。
「ハル君!!」
ルナの叫び声とは対称的にスタンは授業をするかのような落ち着いた声で言い放つ。
「ルナ先生、いやルナ・エクステリア。あなたをこの国から消しに来ました」
【名 前】 ハル・ミナミノ
【年 齢】 17
【レベル】 8
【HP】 90/90
【MP】 62/86
【SP】 111/111
【筋 力】 57
【耐久力】 75
【魔 力】 74
【抵抗力】 70
【敏 捷】 71
【洞 察】 74
【知 力】 931
【幸 運】 15
【経験値】 100/900
・スキル
『K繝励Λ繝ウ』『莠コ菴薙�莉慕オ�∩』『諠第弌縺ョ讎ょソオ』『閾ェ辟カ縺ョ鞫ら炊』『感性の言語化』『第一階級水属性魔法耐性(中)』『恐怖耐性(中)』『物理攻撃軽減(弱)』『激痛耐性(弱)』『毒耐性(弱)』
・魔法習得
第一階級火属性魔法
ファイアーボール
ファイアーウォール
第一階級水属性魔法
ウォーター
第一階級風属性魔法
ウィンドカッター
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