第89話 会合
ミオン達は雪豹ギルドに到着すると、ギルド職員に案内されてギルド二階へと向かう。
フロストシティの雪豹ギルド二階エリアは貸会議室になっており、その一室を借りて今回の護衛依頼を受ける雪豹メンバーの顔合わせを行うことになっている。
「失礼します。ゴールデン・バックの皆様をお連れしました」
「入りたまえ」
ギルド職員が会議室の扉をノックして声をかける。
中から男性の声で入るように促されるとギルド職員がドアを開けてミオン達が先に中に入る様にと仕草で伝える。
中には十人前後の男女がいて、椅子に座っていたり、壁にもたれかかって入室してきたミオンを値踏みしている。
「おや、お久しぶりです」
「あ、ソリッドさん! お久しぶりです」
会議室の中にはアウターヘブンのメンバーであるソリッドとリキッドもいた。
ソリッドはにっこり笑いながら手を振り、リキッドはミオンを見ると不快そうに眉を上げた後視線を合わせないように顔をそむける。
「よし、これで全員揃ったな」
「ええっと……僕達で最後でしたか? 遅れてすいません」
「いや、集合時間には間に合っている。気にしなくていい。適当に席についてくれ」
会議室にいた一番の年配の男性が進行役なのかミオン達が来たのを確認して話を進めていく。
「まずは各々が自己紹介でもしていこうか。私はデビス、雪豹ランクはDでチーム【クルセイダー】のリーダーを務めている。この度は急なお願いにも関わらず、参加を表明してくれた皆さんに改めて御礼を述べたい……ありがとう」
進行役の年配の男性、デビスは自己紹介すると頭を下げる。
次にデビスは頭を上げると、ソリッドとリキッドの兄弟の方に視線を向ける。
それを受けると二人は小さく頷きを返し、静かに席を立つ。
「Aランチーム【アウターヘブン】所属のリキッドだ」
「弟のソリッドです。よろしくお願いします」
「八輪式装甲車【ウォークライ】の操縦担当するカガミだ」
「砲手担当のベネットだ」
カガミは日系人寄りの男性で歳は30代、タンクメットがトレードマークなのか室内でもかぶっている。
ベネットはスキンヘッドの白人で服の上からでもわかるくらいの筋肉マッチョだった。
リキッドたちが自己紹介と車両の種類とポジションを紹介し終えると、隣にいた四人に視線を向ける。
「Fランクチーム【ドミノ】の代表のドランだ。車両は武装トラック」
「運転手のタークスだ」
「メカニックのサイチョーだ」
「射手を担当するガンナーだ」
ドミノという雪豹チームは全員40代の白人男性で髭やもみあげの濃いゴリマッチョな暑苦しい外見のチームだった。
最後に会議室にいる一同がミオン達に視線を向ける。
「ミオンです、ランクはGで、ゴールデン・バックのお世話になっています。車両はドラゴンエッグと言うトレーラーです」
「ターカーだ」
「リディです、若輩者ですがよろしくお願いします」
「イザベラです! 足手まといにならないよう頑張ります」
「リンや、このチームのメカニック担当やな」
ミオンが車種を伝えると、会議室がざわつく。
会議室の窓からは駐車場がのぞけるようになっており、ミオン達が乗ってきたドラゴンエッグを見て誰の持ち物か話題になっていたようだった。
「さてと……各々が自己紹介を終えた所で本題に入らせてもらう。まずは今回我々が護衛する行商隊の規模と、行商隊個人が所有する私兵部隊戦力についてだ」
そういってデビスは今回護衛対象となる行商隊の内訳を話し始めた。
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