第84話 レギュラーバトル参戦
「ミオンはん、何をどうしたらメタルライド受け取りに行ったらレギュラーバトルに出場する羽目になるん?」
「いや……マッチメイカーの人が来ていて……」
バトルリングマッチメイカーのジョンとの約束でレギュラーバトルに出場することになったミオンはあきれ顔のリンに苦笑しながら答える。
「ご祝儀がてらにお前にかけてやるから、勝てよ」
「無茶言わないでくださいよ、ターカーさん」
ミオンがレギュラーバトルに参加する話を聞きつけたゴールデンパックの面々も応援にやってきていた。
ターカーはラージサイズのビールをがぶ飲みしながら掛札である電子チップをミオンに見せつける。
「そこは~、任せてくださいって~、大きく出てほしかったな~」
「そうだね~、もうちょっと自信持ってほしいな」
「頑張ってください」
「うちもミオンはんに賭けてるで」
「うう~……プレッシャーが……」
アリス、リディ、イザベラ、リンもミオンが勝つ方に賭けたチップを見せる。
ミオンは女性陣の期待を受けて困り果てた顔でプレッシャーに負けそうになっていた。
「やあ、参戦してくれてありがとう。いやはや……こんなに奇麗な華を添えて参戦とは……大物の気配がするねエ~」
選手控室に向かうと、マッチメーカーのジョンがミオンを出迎える。
付き添いで来たゴールデンパックの面々を見てジョンは囃し立てる。
「さて、知ってるかもしれないがルールの確認だ。今回はメタルライド同士素手で殴り合うレギュラーバトル。対戦相手のメタルライドの破壊、もしくは機能停止、あと転倒も負けになる。パイロットの気絶及び降参を確認した時点で試合終了だ。理解したか?」
「はい」
ジョンは真面目な顔になってレギュラーバトルのルールを説明する。
「さて、対戦相手に挨拶しに行こう。向こうも今日がデビュー戦だ。おーっと、美しいお嬢さんがたは観客席へ。ここから先は八百長や選手への妨害防止のために立ち入り禁止だ」
ミオンへレギュラーバトルのルール説明を終えると対戦相手との顔合わせに向かおうとして、何かを思い出したようにUターンするとターカー達に観客席へ向かうように注意する。
「頑張れよ!」
ターカーがミオンの背中を叩いて激励すると女性陣は観客席へと向かう。
ジョンとミオンはそれを見送ると、選手用の通路を通って対戦相手の控室に向かう。
「お、お前が対戦相手か? 俺の名前はマガミだ、よろしくな!」
「ミオンと言います。今回はよろしくお願いします」
対戦相手の控室に入るとミオンとあまり歳の変わらない少年がいた。
マガミと名乗った少年は手入れのされていないぼさぼさの赤毛、髪が目に入らないように額にバンダナを巻いており、ニカッと笑うと犬歯が目立った。
「悪いが勝たせてもらうぜ! 俺はバトルリングパイロットとして華々しくデビューしてお金儲けて、美人のねーちゃん侍らせてハーレム作るんだ! ところでお前、巨乳派? 貧乳派? それとも尻?」
「はっ? え? えーっと……」
マガミは唐突に勝利宣言をしたかと思うと、将来の展望を語りだし、最後はミオンに女性のどこに興奮するか聞いてくる。
ミオンはマガミの唐突な質問に困惑し、言葉を濁しながらジョンに助けを求める。
「はっはっは、そういう語り合いは試合が終わった後ゆっくりしたまえ。顔合わせも終えたし、お互い正々堂々戦ってくれたまえ」
「そうだな! 今日から俺のモテモテハーレム伝説が始まるぜ!!」
盛り上がるマガミを背にミオンはそそくさと自分の控室に戻っていった。
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