第66話 部隊展開


「A班、B班はライドメタル、オートプロテクターを装備して展開! ミュータント一匹入れるな! C班は対警備ロボット装備で遺跡内のクリアリング! D班はクリアリングが済んだらミオン達と荷物の運び出しだ!」


 遺跡に到着するとターカーが現場を指揮し、ゴールデン・バッグの面々が部隊を展開していく。


「あのー……えっと……遺跡内の警備ロボットはIFF書き換えて全機掌握してるんですけど……」

「いっ!?」


 護衛部隊が磯かしく動いている中、ミオンが申し訳なさそうに手を上げて遺跡内にいる警備ロボットを掌握していると伝えると、ミオンの声が聞こえていた面々がぎょっとした顔で動きを止める。


「そういえばミオンハッキングが得意だったな。念のためC班は装備そのまま、安全確認できたらD班は来てくれ」

「了解です」


 以前植物園跡遺跡で一緒に行動していたターカーは納得し、指示を再開する。

 クリアリング予定のC班のメンバーは全部で十人、半数は銃を持たず重装甲型のオートプロテクターに刃の部分が赤熱しているハルバートを装備している。

 残り半数はカービン、サブマシンガンと言った弾をばらまく系の銃、うち二人はラップトップ型のPCやグレネードポーチと大型のバックパックを多数装備していた。


「ミオン、あれがうちの遺跡突入部隊の装備だ」

「銃を持っていない人たちがいますけど……」

「あれはね~、遺跡内だと価値がある遺物とかある場所で銃撃戦なんかしたら、遺物に傷が付いちゃうでしょ~? その為に近接部隊ってのが生まれたのよ~」


 ターカーがC班を指差し、アリスがミオンの疑問に答える。


「ミオン、警備ロボット掌握しているなら稼働停止させてくれるか」

「あ、はい!」


 ターカーに言われてミオンはPDAを操作する振りをしてナビィに停止命令を送る様に指示をする。


「よし、C班突入せよ! A班の車両部隊は搭載火器を遺跡の入り口に向けろ。指示があるまでは安全装置を外すなよ!」

「了解!」


 ターカーの指示に従ってC班がショッピングモールの遺跡に突入し、車両部隊が搭載されているマシンガンなどの銃口を入り口に向ける。


「いつもこんな感じなんですか?」

「あー……今回は経費がヴァルプルギス・ナイト・マーケット持ちだからな。普段ならもうちょい装備も軽くて、軽装で車両も一台くらいじゃないか?」


 ミオンがゴールデン・バッグの部隊行動を見てAランクチームの雪豹はこんな風に動くのかと聞くと、ターカーは頬をかきながら今回は経費向こう持ち、ヴァルプルギス・ナイト・マーケットの会頭が同行ということで現在出せる最高戦力を展開しているだけだった。


「移動、探索、戦闘とか全部一人でやるには限界ありますから」

「そういう時の為にチームは必要なのよ、ミオン」


 イザベラとリディがここぞとばかりにチームが必要だとアピールしてきた。

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