第56話 アウターヘブンのメンバー
「お邪魔します」
スネークに促されるまま隣の席に座ったミオン。リディとイザベラは恐縮するように会釈だけして席に着く。
「おう、こいつは前に言ってた俺を受付担当と勘違いしたガキの……名前何だっけ?」
「ミオンです。Gランクになったばかりの雪豹です」
スネークはミオンの肩を叩いて自分のメンバーに出会った時の状況を踏まえて紹介する。
「え? マジで存在したんすか?」
「いやどう見てもボスは受付顔じゃないでしょ!」
アウターヘブンの中では鉄板ネタになっているのか、ゲラゲラと笑っている。
「あー、何かすいません」
「謝ることじゃなあよ、こうやっていい笑い話になったもんな」
ミオンは団員たちが笑っているのを見て、スネークが馬鹿にされて笑われてるのではと思い、謝罪する。
スネークは気にするなと言ってミオンの背中を叩く。
「ご注文は?」
「えーっと……」
話がひと段落ついたところで店員が注文を取りに来る。
ミオンはメニューを見るが値段と料理の名称の意味が分からず何を頼めばいいかわからない。
「ここはベーグルサンドとコーヒーがお勧めですよ」
「じゃっ、じゃあそれで」
ミオンがメニューに悩んでいると、アウターヘブンのメンバーの一人が助け舟のつもりかお勧めを教える。
「わざわざありがとうございます」
「いえ、ここのファンが増えてくれたら嬉しいので」
ミオンが声をかけてくれた人物に礼を述べようと声の主の方を向けば、そこにいたのは色白でプラチナブロンドの長髪で前髪で目が隠れた女性だった。
「ミオン、お前歳幾つだ?」
「えーっと15です」
女性に礼を述べてると唐突にスネークがミオンに歳を聞いてくる。
「15ということは息子達と一緒か。ランクも一緒だし仲良くやってくれよ」
「息子さんですか?」
スネークはミオンと自分の息子が同い年でランクも一緒の事から仲良くしてくれと言ってくる。
ミオンはメンバーの中にスネークの子供がいるのかと、一同を見渡す。
「こいつとこいつだ。息子のリキッドと、ソリッドだ」
「ふんっ!」
「どうも、ソリッドです」
「「えっ!?」」」
スネークが見オンと同い年と言う自分の息子を紹介した途端、ミオンとリディとイザベラは異口同音で驚いた声を上げる。
リキッドと紹介された男性は2~30代ぐらいの大人の雰囲気と外見を持つ太眉、ジャーヘッド、筋肉質の男性だった。リキッドは親から紹介されても慣れ合うつもりがないようにミオンを無視する。
ソリッドと呼ばれたのは先ほどミオンにカフェのお勧めを教えた前髪で目が隠れた女性だった。
ソリッドはリキッドとは逆に笑みを浮かべてミオンに挨拶する。
「ごめんなさい、女性と勘違いしてました」
「気にしてないですよ。僕自身勘違いされても仕方ない格好なんですから」
「だからそんな軟弱な格好はよせと言ってるだろ」
ミオンが謝罪するとソリッドは気にしていないと手を振ってこたえる。
その会話に割り込むようにリキッドがソリッドの外見を非難する。
「まあ、こんな感じだが……雪堀やら遺跡潜りで一緒になった時はよろしく頼まぁ」
「よろしくお願いします」
「ふん、女を侍らせているような軟弱者などとじゃれ合う気はない」
リキッドはミオンとは会話をしたくないのかわざと遠くの席に移り、スネークとソリッドは苦笑していた。
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