第40話 遺跡攻略
『マスター、まずは巡回している警備ロボットを一体、破壊せずに捕縛してください』
「破壊せずに警備ロボ一体を!?」
ナビィが状況打開するために警備ロボットを破壊せずに一体捕まえろと言ってきて、ミオンは驚く。
『施設内の警備ロボットはテイザー装備です。死ぬことはありません』
「うーん……このままだと実入り何もないし……やるかっ! ナビィがせっかく提案してくれたんだし!」
ミオンはマスクの上から頬を叩いて気合を入れると、警備ロボットを捕縛する方法を考える。
まずミオンは警備ロボット達を観察した。
長期の稼働と整備不順から来る不具合で警備ロボットの動きはぎこちない。
(ん? あの警備ロボット足が遅いな……あ、こけた!)
警備ロボット達は基本ツーマンセルで巡回しているが、中には足の不具合でどんどん引き離されていくロボットもいる。
そんな足の悪い警備ロボットの一体が瓦礫を踏んで転倒し、起き上がろうともがく。
一緒に巡回していた警備ロットはバディが転倒したことに気づいていないのか、そのまま巡回ルートを進んでいく。
『マスター!』
「わかってる!!」
ナビィが転倒した警備ロットを指差し、ミオンが千載一遇のチャンスを逃すまいとかけだし、転倒した警備ロボットにとびかかる。
『マスター! このタイプは背中にメンテナンスハッチがあります! それを開けてください!!』
「わか———硬っ!?」
『ケイコク、ケイコク、ケイビロボットヘノボウコウハ、キブツハソンザイニガイトウシマス。キュウエンヨウセイ、テンナイニテアバレルオキャクサマガイマス』
ミオンが警備ロボットの背中に馬乗りになり、ナビィがメンテナンスハッチがある場所を表示する。
ミオンがメンテナンスハッチを開けようとすると、錆びているのかフレームが歪んでいるのか硬く中々開かない。
ミオンが馬乗りしている警備ロボットは警告を繰り返し、他の警備ロボットに救援要請を出す。
『マスター急いでください!!』
「わかってるって! フンギギギギ!!!」
ナビィがせかし、ミオンは両手でメンテナンスハッチをこじ開けようと踏ん張る。
巡回していた警備ロボットが近づいてくる足音が聞こえてくる。
「開いたっ!!」
『ここにコードをさしてくださいっ!!』
バキンと何かが折れる音と同時に警備ロボットのメンテナンスハッチが開くというより蓋が破損して剥がれる。
ミオンはむき出しになった機械部分にナビィのPDAのコードを差し込む。
救援信号を受け取った他の警備ロボット達が腕に搭載されたテイザーをミオンに向けて近づいてくる。
『ハッキング開始します……システム掌握、味方IFFを設定しました』
「間一髪……ってやつかな……」
ナビィが警備ロボットのシステムを掌握すると、ミオンの目の前まで迫っていた警備ロボット達が停止して、通常の巡回ルーチンを再開する。
ミオンはその場に大の字に寝転がって危機が去っていったことに安堵していた。
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