第34話 Gランクの特典
「ほう、Gランクに昇格か。ま、この調子で頑張れや」
「わぷっ!? ごほ……あ、ありがとうございます」
ミオンの昇級を聞いていたスキンヘッドの中年男性は祝いの言葉を述べてミオンの背中を叩いて去っていく。
叩く力が強かったのか、ミオンはよろめいて咳き込みながらスキンヘッドの中年の背中に向かって礼を述べる。
「今の人は?」
「Aランク雪豹チーム、アウターヘブンの代表、スネーク・大塚さんよ。知らない?」
ミオンが立ち去った中年男性の事を受付職員に聞くと、アウターヘブンというAランク雪豹チームの代表だと教えてくれる。
「チーム名は知ってましたが、さすがに代表の顔や名前までは……」
アウターヘブン、ゴールデン・バックと肩を並べる雪豹チーム……否、連隊クラスの台所帯。
女の雪豹がゴールデン・バックに憧れるなら、男の雪豹はアウターヘブンに憧れる。そんな住みわけができていたりする。
「それもそうね……Gランクの手続きが終わったわ。Gランクは何ができるか聞く?」
「はい、お願いします」
受付職員はミオンの雪豹としてのデータをGランクに変更すると特典や活動範囲についての説明を始める。
「まず、ギルドショップで購入できる装備が増えます。実際に何が買えるかはショップで直接確認してください。銃の弾薬に関してギルドショップで購入した場合割引されます。ギルドショップのみの特典なのでお気を付けください」
「それはありがたいですね」
ショップの購入できる商品が増え、弾薬代が割り引かれると聞いてミオンは喜ぶ。
「Gランクの遺跡潜り、都市からの依頼を受けられます」
「HランクとGランクの遺跡の違いってなんです?」
潜れる遺跡のランクを聞いてミオンはHとGの遺跡の違いについて質問する。
「Gランクは稼働中の警備システムや警備ロボットが残っていたりします。Hランクより実入りと危険度が上がると思ってください」
「危険度ですか……」
ミオンはHランクの遺跡でサスカッチとの遭遇を思い出し、あれより危険なのかとげんなりする。
「依頼の方は都市の市民や研究者などから遺跡に潜って資材を回収、ミュータントの討伐や隊商の護衛など様々な仕事がございます。現在このような依頼がございます」
受付職員が手持ちの多ブレッドを操作して以来一覧表を見せてくれる。
「えーっと……旧下水道の探索、人探し、遺跡のクリアリングに……このバトルリングの選手募集って何です?」
提示される依頼内容の中でメタルライド所有者限定でバトルリングの選手募集というのを見つけ、受付職員に質問する。
「これはバトルリングのマッチメイカーさんからの依頼ですね。バトルリングはメタルライド同士で戦い、観客はどちらのパイロットが勝つか賭けて、選手はファイトマネーを得る試合形式の賭博です。詳しい試合内容などは実際に見に行かれた方が早いかと」
受付職員はそう言ってバトルリングが開催されている場所をミオンに教えた。
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