507.【後日談4】俺の料理


□前書き□


グロ食虫注意。

食事中の方はお気をつけください。



□□□□□□□□□□□



昼の宿屋の管理人室にて。


俺は、ベッドの上で仰向あおむけになってのんびりしていた。

横にはサバさんがくっついて昼寝している。


ナンシーさん達は今は仕事中。

俺たちは管理人室の番をしているというわけだ。

番犬ならぬ番猫。不審者が入ってきたらみ付いてやるぜ。


む。窓の隙間から蜘蛛くもが入ってきたぞ。

不審者め、覚悟しろ。


俺は体を起こし、伸びをする。


そして、壁をカサカサと歩いて(?)いる大きな蜘蛛目がけてジャーンプ!


両前足で蜘蛛を抑え、ブチュッと爪を立てて絶命させる。



「にゃー(とったどー!)」



蜘蛛を天井に掲げて、決めポーズをとる。

今日も宿屋の平和は守られたのだ。

いや、蜘蛛は基本的に益虫だから平和を脅かしたりしないけど。

むしろ平和を守ってくれるのだけど。


まあいい。

さっそく手に入れたおやつを食べることにしよう。

俺は調理器具を四次元空間から取り出した。


火が出ないタイプの魔導具コンロにミニフライパンを乗せ、蜘蛛を乗せる。

そして焼く。



「にゃー(う~ん、香ばしい匂い)」



いい感じに熱が通ったので、焼き蜘蛛を皿に移し、コンロとフライパンを四次元空間に片付ける。


食べようかと思ったが、ちょっと待てよ。

確かヨツバは、食べる前の料理を写真アプリで撮ってたな。


ヨツバの真似して俺は首輪型PCを起動し、焼き蜘蛛を撮る。

うーん、絵に緑色が足りない。


猫草を横に添えてみる。

お、いい感じの見栄えだぞ。


ついでにまぐろちゅるるーんをソース代わりにかける。


素晴らしい!

これぞ芸術作品!


俺は写真を撮り、知り合いのJKに送信した。

タイトルは『俺の料理』。


送信したら、すぐに返信が来た。



『今度ふざけたグロ画像送ってきたら着信拒否するよ!^^# 土倉花』



俺の渾身(こんしん)の芸術作品がグロ画像扱いされた。

何でだ。



「猫さーん、ちゃんといい子で留守番してますかー?

……ぎゃぁぁあああああグローーーッッ!!」



ニコニコ笑顔で管理人室に入ってきたヨツバが、一瞬で般若はんにゃの顔になった。

そして俺の作品を錬金術で分解してしまった。

何をするんだ。


まったく、どいつもこいつも、俺の料理をグロ扱いしやがって。

生前に芸術作品を評価されなかったゴッホなんかは、きっとこんな気持ちだったのだろうな。


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