459.【後日談4】ペットショップ



□前書き□


注意:残酷な描写あり。



□□□□□□□□□□□




最近、魔獣都市マタタビに変わった店が出来たらしい。

生きた魚や、小動物を売っている店とのこと。

グルメ用の餌屋さんかな?


その気になれば猫像の映像を参照して、どんな風な店なのか分かるのだけど。

せっかくなので自分の目で見てみようと思った。


というわけで、暇そうな白猫リリーと金髪エルフのアウレネを連れ、店に突撃だ。


店名は『けも友ズ』?

変な名前だ。


で、中を見ると、色んな種類の小動物や、魚、あと虫が展示してあった。

それに世話用の道具や餌など。


……って、これペットショップか!



「わぁ~! 猫さん、このお魚さんキレイです~」


「みゅ~(身が少なそうにゃ! もっと食いでのある魚を所望するにゃ!)」



ネコ科魔獣が手を出せないように、水槽の蓋は頑丈にしてあるらしい。

お店に遊びに来ている子どもネコ科魔獣が水槽に顔をくっつけている。


で、こんな店を開きそうな人物に心当たりが1人しか居ない。



「いらっしゃいませ猫さん、私のお店へようこそ!」



うさぎを抱いたヨツバが、ドヤ顔で店の奥から現れた。

いいのか? 店内のネコ科魔獣が獲物を狙う目で見ているから、抱っこしているうさぎが震えているが。



「雑貨屋クローバーは、人々に美味しい食べ物と便利な道具を提供しました。

しかーし! 生活についてはどうでしょう? ネコ科魔獣の世話をする毎日。

人によってはストレスが溜まっているかもしれません。

そう、現代人には癒やしが必要なのです! ペットセラピーです!」



ネコ科魔獣の世話だけで十分癒やされる気がするけどな。

でも、そういう俺は猫派だから、そう思うだけなのかもしれないな。

というか俺自身が猫だけどな。



「というわけで、土地を買ってペットショップを作ってみました。

既に多くのお金持ちのお客さんには好評を頂いています。

中央都市チザンからわざわざペット用の道具を買い求めに来るお客さんも居ますよ」


「みゅ~(隙ありにゃ!)」



ザクッ!

ヨツバが抱っこしてるうさぎの足が引っ掻かれた。


傷は深く、ボタボタと血が流れている。



「きゃぁあーーー!? ちょ、ホムンクルス! 回復早く!

っていうかちゃんと守ってくださいよ!」



歴戦の殺戮猫であるリリーに勝てるホムンクルスが居るわけないだろ。

純粋な真正面からの戦闘だったら、俺より強いからな。


そしてうさぎから滴る血を求めて、店内のネコ科魔獣がわらわらと集まり、ペロペロと血を舐めている。

本当にネコ科魔獣はマイペースだな。


しばらくして、うさぎは無事に回復し一命をとりとめたが、リリーは出禁となり追い出された。

俺とアウレネもついでに追い出された。何故に。



「みゅ~(猫の前にうさぎを見せびらかす方が悪いにゃ。

おいらは悪くないにゃ!)」


「そうですね~」


「にゃー(当たり前だけど、ペット用の猫は居なかったな……ペットの猫が欲しいぜ)」



ヨツバは他にも数種類、お店を作るつもりらしい。

そんなに色々と起業して、どうするつもりなのか。

いや、単に暇と時間とお金を持て余しているだけか。

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