431.【後日談3】ヨツバは学校が作りたい その3
・ヨツバ視点
ここは大魔導師の森の、猫さん宅前の庭。
私は銀髪イケメンなエルフのチャールズ君に、学校の設計図を見せる。
「これを作って欲しいわけです」
「何やこれ、小さい町1つ分くらいあるやないか。
どれだけ頑張っても5年はかかるで」
「私と猫さんのホムンクルスを総動員するので、多分1ヶ月かからないです」
「せやかて、これだけの物作るのに材料も大量に必要やさかい。
その辺はどうすんねんな。費用もせやけど、仕入れ先が用意出来る量を超えとるやろ」
「そこは私と猫さんと神獣さんが何とか頑張ります」
「頑張ります、っておたく……いや、まぁバステト様なら何とかしてくれるやろか。
分かった。ワイは設計図の細かい修正をして、おたくらの配下に、建設の指示出しすればええんやな?」
「お願いします」
さて、猫さんには土地の用意を任せてある。
上手くやってくれているだろうけど、一応見に行こう。
◇ ◇ ◇ ◇
・ヨツバ視点
見に行ってみると、魔獣都市マタタビの南の土地が
均された土地を囲うように石壁が増設されていて、元々あった南門はさらに南に移設されている。
均された地面も、建設しやすいように地中を多少改良しているみたいだ。
これを行ったと思われる猫さんが居ない。
どこだろう。
近くで伸びをしているネコ科魔獣に聞いてみる。
「猫さん……じゃ通じないか。肉球魔王様がどこに居るか知りません?」
「ま゛ー(おれぁおせっかい焼きの三つ目猫! 肉球魔王様なら都市を広げたってんで、中央都市チザンに報告に行ったぜッ!)」
「どうもありがとうございます」
そりゃそうか。
土地を広げるのにも、国の許可は必要か。
というか先に土地を広げてから許可取りに行くとか、普通なら喧嘩売ってるとしか思えない。
「にゃー(ただいま、土地の使用許可取ってきたぞ)」
「早ッ?!」
「にゃー(チャールズ君の設計図が出来次第、取り掛かるとしよう)」
そうして2週間後、設計図が完成したということで、建設に取り掛かることになった。
◇ ◇ ◇ ◇
・ヨツバ視点
チャールズ君が設計図を作ってる間に、私と猫さんで材料集めは終わっている。
といってもホムンクルスにお金渡して待つだけだったので、私は何もしていないのだけれども。
猫さんは錬金術で、いい感じの金属パーツを作ったっぽい。
そして今日から工事開始。
木製のヘルメットを被ったチャールズ君が、設計図を見ながらホムンクルス達に指示する。
「そこは売店やな」
カカカカカカ、ギュイイイイイイイン!
カチン、カチン、カチン!
前世だったら苦情が来そうな騒音を立てて、建物が一瞬で出来上がる。
騒音が酷いので当然、ほとんどのネコ科魔獣は逃げている。(邪魔されないようにわざと騒音を立てている)
魔獣幹部達は耳を前足で塞いで、様子を見に来ている。
売店の建設が終わり、建物の上に魔獣幹部キメラが乗り、ぴょんぴょん跳ねる。
「ガゥ!(強度問題無し!)」
私は中に入り、床や水道、下水、日当たり、ドアなどに問題が無いことを確認。
「こっちもオーケーです」
猫さんは、放射線を用いて店をスキャンし、首輪型PC上で構造の不備が無いか確認している。
正直猫さんのチェックだけで良い気がするけど、猫さんいわくチェックは2重3重が基本なのだと。
「にゃー(よーし、大丈夫だぞ)」
「ほな次行くでー。次はマタタビ会館や」
こんな調子で、3日かけて学校区画が完成した。
凄まじく早い。ホムンクルスまじパネェ。
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