405.【後日談3】地獄絵図・助平
□前書き□
クロスオーバーを読み飛ばした方へ。簡単な要約です。
近未来世界へ旅行に行った。
現地の女子高生の土倉花と友達になった。
ヨツバは小人ホムンクルス100体と、首輪型PCを手に入れた。
何やかんやあって、肉球魔王様の首輪型PCに、鑑定神ソフとその配下1体を封印中。
□□□□□□□□□□□
魔獣都市マタタビの中央広場に、俺とヨツバは現れた。
2週間ぶりだが、何だか1年ぶりくらいな気がする。
広場にはネコ科魔獣がびっしりと集まって、昼寝していた。
今日も変わらず平和らしい。
ドドドドドドド……
「んなぅ!(肉球魔王様ぁーーー!!)」
人間ほどの大きさで茶トラ白の毛皮を持つネコ科魔獣幹部、火車が突撃してきた。
俺は手のひらで彼の顔を押さえて止めた。
火車は目を瞑って前足をジタバタしている。
「にゃー(ただいま)」
「んなぁー! んなぁー!(寂しかったですぞ! どうして我々を置いて旅行に行かれたのです!
一緒に連れてってくださったら良かったのに!)」
「にゃー(いや、お前は魔獣幹部だから、都市から離れたら駄目だろ)」
それに付いて来たいって奴を全員連れて行ったら100体超えるだろうし。
さすがにそんな大勢の面倒は見られない。
というかビザを取るのが手間だ。
火車がうるさいので、昼寝していた魔獣達が迷惑そうにこちらを見る。
「んなぉー!(では他の幹部を呼んできますぞ!)」
そう言って、ぴゅーっと火車は去っていった。
騒がしい奴だ。
「みー(肉球魔王様、旅行に行ってきたの?)」
「にゃー(おう。お土産もたくさん買ってきたぞ)」
キャットフードと木皿を取り出し、近くに居た子どものネコ科魔獣に1口だけ分けてやる。
ボリボリ。
「みー!(ウマー!)」
「ナーン(いいなー)」
「にゃー(後で魔獣幹部らに同じのを与えるつもりだから、欲しかったら彼らに言って分けてもらうといいぞ)」
食べ物につられてネコ科魔獣がゾロゾロとやってきたので、俺は魔獣幹部にお土産配りを押し付けることにした。
ちょうど火車が他の魔獣幹部を連れてこちらへ来ているので、お土産のキャットフードを取り出した。
◇ ◇ ◇ ◇
広場でキャットフードに群がるネコ科魔獣達に魔獣幹部達がもみくちゃにされているのを横目に、俺は首輪型PCを起動し写真の整理をしていた。
「にゃー(そうだ、土倉花に魔獣都市マタタビの写真を送ってやろう)」
カメラアプリを起動しパシャリ。
メールに添付して送った。
……。
……返信が来た。
早いな。
『何この地獄絵図』
若い子のメール文は短いな。
というか地獄絵図って何だ。
ちょっとネコ科魔獣が密集してるだけじゃないか。
「なーお(肉球魔王様! 頂いたキャットフードが尽きましたぞ!)」
「にゃー(じゃあ、おしまいだな)」
「みゃー!(まだ貰ってないのにー!)」
「ガォ!(俺だって食べてないんだから文句言うな!)」
キャットフードを貰いそびれたネコ科魔獣が不満そうにしているが、元々この都市全体に行き渡るほど買ったわけじゃないしな。
餌くれコールが10分ほど続き、貰えないことを悟ったネコ科魔獣達はションボリして去っていった。
◇ ◇ ◇ ◇
首輪型PCで、画像を宙に投影する。
そして魔獣幹部と、中央広場に残ったネコ科魔獣達に、旅行の写真を見せてやる。
「にゃー(これがペットショップだ。さっきのキャットフードもここで購入したものだ)」
「なぅ(肉球魔王様、ネコ科が
「にゃー(そりゃペットを売ってる店だからな)」
俺はショップ内のいろんな動物の写真を見せてやった。
だが魔獣幹部達は猫の写真を見て複雑そうな顔をしている。
「なぉぅ……(この写真のような美少女が購入出来る店……)」
「うみゅう(いかがわしい)」
「不潔だねぇ!」
「アァー……背……徳……的」
「ガゥ!(うらやまけしからん!)」
「にゃー(お前ら一体何を言ってるんだ)」
この後、何故か俺は
意味がわからない。
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