363.【後日談2】【クロスオーバー(メニダン)】猫さん、女子高生に会う


□前書き□


小説家になろうに投稿した『メニィ・ダンジョンズ・オンライン』https://ncode.syosetu.com/n5344du/とのクロスオーバー企画です。

時系列としては、『メニィ・ダンジョンズ・オンライン』の話が始まる前くらいです。

一応『メニィ・ダンジョンズ・オンライン』を読まなくてもわかるように書いています。



□□□□□□□□□□□



ヨツバと俺は、四次元ワープで○○県の、とあるマンションの1室にワープした。


ガラスの床の下には電子紙が埋め込まれていて、今は床紙は『海の中』に設定されている。

そして部屋の隅に、俺の姿の木像が置かれている。



「おおっ! ここがそうですか!」


『平行世界の日本だ。

西暦XXXX年、時代はVR技術が進歩して、人間の脳内に小型電子チップを埋め込んでいるらしいぞ。

行き先のマンションのこの部屋には、予め俺の偶像を送っておいた。

その偶像と感覚共有して、ここに四次元ワープしたわけだ。

このマンションでは、民泊みたいな感じで、短期間の宿泊が可能だ。

ただし、俺の時代と違い、消防法などはきちんと旅館やホテル相応の物を満たしている必要があるらしいが』とエメラルド板に刻む。


「よーし! さっそく出かけましょう!」


『待て。以前にも言ったが、もう一度確認だ。

ビザの規約にある通り、この場所で、オーバー・テクノロジーを広めるのは禁止だ。

あと、1日のお小遣いは10万円分、電子マネーをヨツバの電子財布に振り込むからな。

現地人と仲良くするのは構わないが、あまり騒動を起こすなよ?』と刻む。


「分かってますって。

じゃ、行ってきます」



ヨツバはドアを開け、部屋から出ていった。


俺は四次元空間からベッドを取り出し、寝転がりながら、マンションの管理人に到着した事をメールで伝えた。


……。


…………。


……返信が無いな。

管理人さんは忙しいのかもしれない。


まあいいか。

俺も出かけるとしよう。


ベッドから起き、入り口へ向かう。


そしてドアに飛びつき、ドアノブにつかまる。


ギィィィッ。



「……猫?」



ドアを開けると、丁度目の前にマンションの住人の女子高生が居た。

確か、隣の部屋の住人だったか。


俺はドアノブを放して、着地する。


そして歩こうとしたが、女子高生に持ち上げられた。



「いや、いや?! 君、何脱走してるの?!

ってか太っ、重っ!」


「にゃー(失礼だな)」



俺は首輪のPCを起動し、『何か用?』とタイプし、公共電子紙壁に文字を表示した。

エメラルド板だと、錬金術スキルの無いこの日本では驚かれるからな。



「げっ、高次知能生物?!

初めて見た……」



ちなみに、この日本には高次知能生物、いわゆる宇宙人が居る。

俺のビザも、高次知能生物扱いで取っている。

もう少し昔の日本では、高次知能生物に関する法律が無いので、ビザが取れないのだ。


ビザ無しでこういった世界を渡ると、その周囲の神様から警告される。

なので、こうして旅行ビザを取り、旅行目的ですよー、と意思表示するのだ。


まあ、その気になればこの一帯の神様くらいなら相手に出来るが、無駄に敵を増やす必要もない。


女子高生は俺を降ろし、自己紹介を始めた。



「私は土倉花つちくらはな。この部屋の隣に住んでるよ。

よろしく、えーと?」


『俺の事は、肉球魔王様と呼んでいいぞ』とタイプする。


「に、肉球魔王、様?」


『猫さん、とか、にゃんこさん、でもいいぞ』とタイプする。


「よく分からないけど、本名を教える気は無し、と。

まあいいか。よろしく、肉球魔王様」



若干、栄養失調気味の女子高生、土倉花と知り合いになった。

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