339.【後日談】人物紹介1・魔獣幹部達


ここは夜中の中央広場。

いつも通り、魔獣幹部達による会合が開かれる。


特に変わったこともなく、会合が終わる。


森の自宅へ帰ろうとしたところを、人間大の茶トラ白のネコ科魔獣幹部、火車に呼び止められる。



「んなー(肉球魔王様、お願いがあります)」


「にゃー(どうした?)」


「んなおぅ(我々魔獣幹部5体に、肉球魔王様が連れてきた方々を紹介して欲しいですぞ)」


「にゃー(理由は?)」



ネル達が都市で住むことは既に伝えてある。

あとは、魔獣幹部達の仕事とは特に関係ないはずなのだが。



「先日、バステト様村から手紙が届いてねぇ。

肉球魔王様の大事な客が村へ訪問したってのに、随分な歓迎をしたそうじゃないかぃ。

魔獣都市マタタビの面目丸つぶれだよ」



今は人間に化けている、元は黒と茶色のまだらのサビ模様の普通猫サイズのネコ科魔獣幹部、化け猫が言う。



「うんみゅう(あとは、サポートが足りない。

レンタル四次元空間にしても、言われるまで気が付かなかった。

きっと他にも不自由させている事があるはず)」



楕円形の金貨を抱いている、金色のトラ柄な普通猫サイズのネコ科魔獣、金の亡者が言う。



「ガゥ!(つまり、俺たちは肉球魔王様が連れてきた方々の生活や行動を知らなさすぎる)」



コンテナ大で翼の生えたサバ白のネコ科魔獣幹部、キメラが言う。



「にゃー(別に彼らは不自由していないぞ?

何かあれば俺がサポートするし)」


「「「みゃなおガウ!(肉球魔王様のお手を煩わせるなんて、とんでもない!)」」」



要するに、俺の代わりにネル達のお世話を手伝いたいということか。

ネコ科魔獣のくせに勤勉な連中だな。


まあいいか。

ネル達と仲良くなるのは悪いことじゃないし。



「ゾンビキャット、あんたはどうするんだぃ?」


「アァー……ツ……イ……テ……ク……」



二足歩行の緑色なネコ科魔獣幹部、ゾンビキャットは首を縦にカクカク振る。

薄皮で薄毛なので、内蔵が見える。



「にゃー(紹介するのはいいが、明日な)」



今から行く気マンマンな幹部達を止める。

こんな真夜中に押しかけるのは迷惑だからな。

ネコ科魔獣と違って、人間は寝る時間だ。


明日の日の出前に中央広場に集合する約束をして、俺達は解散した。

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