317.【後日談】マズいにゃ!



フランベルジュを森の自宅前に連れてきた。



「ほぅ、ドラゴンを見るのは久しぶりじゃのう」


「みゅ~(フランベルジュのそっくりさんにゃ! 美味そうにゃ!)」


「リリーちゃん、よだれ垂らしていますが、アレは食べ物じゃないですよ~」


「貴様、フランベルジュかッ! 久しいなッ!」


「何や生きてたんか、おたく」



シルフ婆さん、リリー、アウレネ、オリバー君、チャールズ君が迎えに来てくれた。

お前ら暇なのか?



「キュオオオオン!(おお! 老婆! 老婆ではないか!)」


「このドラゴンがフランベルジュ? どういうことかの?」



そうか。シルフ婆さんはフランベルジュが石像だった頃に亡くなったんだっけ。

フランベルジュが竜の姿を取り戻した事は知らないのか。



「キュオン!(いや待つのである。シルフ老婆は死んだのである。

ということはここに居る老婆は、シルフ老婆の末裔であるか?)」


「にゃー(本人だぞ)」


「キュオオオオン!(そういえば不思議猫は不思議猫であるか?

不思議猫の末裔であるか?)」


「にゃー(不思議猫と呼ばれるのは久しぶりだ)」


「キュオオウン!(おお、本人であるか! 我の仲間が、まだ生きていたのである!)」



フランベルジュは感極まったのか、おいおい泣いている。


オリバー君とチャールズ君がポンポンとフランベルジュの肩を叩いて慰めている。

こらリリー、ペロペロと味見するんじゃない。

あ、噛みついた。



「キュオオオン!(痛ぁあ?!)」


「みゅ~(おえーっ、マズいにゃ! こいつ栄養不足にゃ!)」


「キュオン!(よく見ると暴力白猫ではないか! 何をするのである!)」



フランベルジュに【ヒール】をかけつつ、リリーを叱る。



「にゃー(変な物を食べちゃ駄目だぞ。お腹壊すかもしれないからな)」


「みゅ~(分かったにゃ!)」


「キュオオオン!(我は変な物ではないのである?!)」



俺の自宅前で騒ぎ立てるフランベルジュ。

それを咎めるシルフ婆さん。

アウレネ達は敷物を敷き、勝手に宴会を始め出した。


1000年前のいつもの日常が戻ってきたような気がした。


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