315.【後日談】怒られた


□前書き□


※下ネタ?あり。食事中の方はご注意ください。



□□□□□□□□□□□







長老猫のサバさんがナンシーさんの宿に住み着いた翌日。

シャムと彼女の両親の元にもネコ科魔獣がやって来た。


それから数日後。

シャムと両親が世話の担当をしている子ども魔獣達3体が宿屋前に集まり、愚痴を言っている。



「にゃうん(酷いよぅ。ウ〇チしただけなのに、怒られたよぅ)」


「ニャルガクルニャーン(俺は、シ〇コしたら怒られたぜ。

人間もやってるくせによ、俺達にはするなってか?)」


「なうなう(に、人間って何考えてるのかわからないね。こ、怖い……)」



うーむ、新しい生活に上手く馴染めていないようだ。


もちろん都市には、魔獣と人間の仲が悪い場合にアドバイザーが親切にサポートしてくれる制度がある。

このままだとアドバイザーのお世話になりそうだ。



「にゃん(もしもし、そこの子どもたち。

困っているようですね。私でよければ相談相手になりましょう)」


「にゃおう?(むぅ?)」


「ニャニャ(誰だ?)」


「なろろ(こ、この猫、近くにす、住んでいる……)」



お、長老猫のサバさんが3体の会話に加わった。



「にゃお(猫生の先輩として、ウン〇やシ〇コをしても怒られないコツ、教えましょう)」


「クルニャ(ほー。そんなのがあるのか)」


「なろー(ぜ、是非ともご教授ください!)」


「にゃう(ボクにも! ボクにも教えて!)」


「にゃん(こちらです。ついてきてください)」



サバさんの後を3体の子ども魔獣がついていく。

可愛い。


宿屋の管理人部屋の中に入り、サバさんがとある場所で止まる。



「にゃおん(この顆粒、人間が猫砂と呼んでいる物です。

この上で用を足すか、便を出すのです。

そうすれば怒られませんよ)」



言いつつ、サバさんはウ〇コし始める。



「にゃんぬ(便は、猫砂をかけて隠すと、臭いが抑えられます。

小便についても同様です)」



ザッ、ザッ、ザッ。

サバさんは便に丁寧に砂をかけた。



「にゃううん(凄い、凄いよぅ! 本当に臭いが減ったぁ!)」


「クルニャーン(確かに)」



サバさんは得意げな顔をしている。



「にゃん(以上です。困ったことがあれば、また助けになりましょう)」


「にゃうん(ありがとう!)」


「クルニャー(よーし、今晩から試してやるぜ)」


「なるる(さ、さようなら)」



大した事を教えてないような気がするが、彼らにとっては大事なことだったのだろうか。


3体が部屋を去り、サバさんは本棚に登る。



「にゃお(私もあのように若い頃があったものです。

人間にもたくさん叱られました。懐かしい)」



ガジガジ。

サバさんがナンシーさんの本の角をかじり始める。



「にゃー(って、やめろよ!)」


「にゃむ(おお、これは猫又様! 一緒にどうです? 楽しいですよ)」


「こらっ! 何やってるの!」



サバさんと俺は、本の角をガジガジしたことをナンシーさんに怒られた。

俺はやってないのに。

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