295.【後日談】森へ到着


□前書き□


クロスオーバーを読み飛ばした方へ。簡単な要約です。


ダンジョン支配者マスター伊乃田命いのだまこと君と知り合いになった。

その時に首輪型PCを入手し、首に付けた。

海賊船ダンジョンのマスター五島亜理子ごとうありすや、ホムンクルス製造会社の社長コレムとも知り合った。

蘇生スキルの欠点である、残り寿命の減少を、ダンジョンで発生する弱い神様(やっこさん)を倒すことで克服。

トミタは命君の協力により、親しかったネル達を蘇生した。

しかし、ネル達の魂が損傷しているので、その治療は継続して行う必要がある。


そしてネル達を連れて、ダンジョンから帰ってきた。


□□□□□□□□□□□



全員で移動なので、20分くらい費やしたが、ようやく元の世界の森へ帰ってこれた。

先に俺が到着し、森の結界の効果をいじって、蘇生組全員を侵入可能にした。




「みゅ~(お帰りなさいにゃ!)」


「にゃー(ん? リリー、ダンジョン攻略に行ってたんじゃなかったのか?

戻ってくるのがやけに早かったな)」


「みゅ~(おいらが着いた時には、既に攻略済みだったにゃ!

ダンジョン復活をじっと待つのも性に合わないから、そのまま帰宅したにゃ!)」


「わ~、リリーちゃんそっくりな猫です~」



アウレネがリリーを抱き上げる。



「みゅ~(アウレネだにゃ! 死んじゃったアウレネだにゃ!

おいらはリリーにゃ! そっくりさんじゃないにゃ!)」


「にゃんこさん、この子誰です~?」


「みゅ~(おいらのこと忘れちゃったにゃ?!)」


『アウレネ、そいつはリリー本人だ。

あと、言語はおおまかに通じるぞ』と文字を刻む。


「おお~! リリーちゃんだったのですか~!」



アウレネはリリーをモフモフ撫でまわしている。

リリーも気持ちよさそうにしている。



「さて、猫さん。確かここは私が死んで1000年くらい経った世界とのことですが、説明をお願いできますか?」



ヨツバが聞いてくる。

他の連中も知りたがっているみたいだから、軽く説明してやるか。



◇ ◇ ◇ ◇



「ほぅ、フランベル国は滅んだのかの?」



シルフ婆さんがアウレネに聞く。

エルフは長寿なので、だいたいのことはアウレネとオリバー君、チャールズ君も知っている。



「シルフ様が亡くなって100年くらいの出来事です~」


「その後、クレイ王国が元フランベル国領地を吸収したのだったなッ!

だがそれも、さらに450年後、新興国ゴーシュの侵略により、領土を奪われたのだッ」



アウレネの言ったことに、オリバー君が補足する。



『で、120年後、ゴーシュ国内で紛争が勃発、国は東と西に分裂してしまう。

その時、この森の一帯は西の領土内にあった。が、360年後、ベヒーモスと呼ばれる巨大魔獣が出現。

後から分かったのだが、そいつのせいで全世界の8割の国が滅び、多くの文明が消失した。

そいつは森の近くに来たから、俺とリリーで倒した。

だが、西ゴーシュ国は既に壊滅状態。

その隙に、魔獣国チザンが侵略し、当時西ゴーシュ国に居た人間は魔獣の奴隷となった。

俺は、魔獣国の王ゴルンに挨拶して、ここら一帯の支配権を得ている』とエメラルド版に刻んだ。



オリバー君達が知らない部分は、俺が補足した。



「つまり、今ここは魔獣国チザンであり、ここの人間は魔獣の奴隷扱いされていて、猫さんはこのあたりの領主のような扱いなのですね」



ヨツバが要約してくれた。

俺はうなずく。



「バステト様や、エルフや獣人はどのような扱いかの?」


『その土地の支配者の気分次第ってところか。

だいたいは人間と同じような扱いだな。

獣人を魔獣扱いする奴も居たりするが』と刻む。


「その人間の扱いがどのようなのかわからないから、何とも言えないなぁ」



マック君の指摘ももっともだ。



『よし、全員で森の近くの都市に行こう。

実際に見てみれば分かるだろ』と刻む。


「大丈夫ですか? 魔獣の奴隷になるとか嫌ですよ?」



俺は、肉球印の付いた安全ピンタイプの缶バッジを全員に配る。



『これを付けていれば、俺の客人扱いされるから大丈夫だ』と刻む。



全員が缶バッジを服やズボンに付けたのを確認し、俺達は魔獣都市『マタタビ』に向かった。

長老猫とリリーもついて来た。バジリスクは森で留守番だ。




□□□□□□□□□□□


□後書き□


補足です。

ベヒーモスは数ある魔獣国に所属する魔獣でなく、単独で破壊行為していた魔獣です。

なので滅んだ国々の中には魔獣国もいくつか含まれています。

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