294.【後日談】【クロスオーバー】バイトの終わり



新たに蘇生した奴ら全員に対して説明が終わり、いよいよ元の世界に帰るのみとなった。



「錬金術の神トミタ。今日まで7日間、ご苦労様でした」



金髪で白い衣装に身を包んだ、幸運の女神フロディーア様が挨拶しにやって来た。

彼女は、ダンジョンの女神3人の上司のような存在らしい。



「そして、ダンジョンマスターの伊乃田命、快く祭りの場所を提供してくださって、ありがとうございます」


「おう」


「お礼として、私と夜のゲームを楽しみませんか?」


「夜のゲーム? ああ、18禁か?」


「はい」


「いいぜ。確かここに……あった。

Toヘァー2、フォルテフォルテッシモ、くらニャド、この夕焼けに約束を、水面月、他には……」


「あの、そうではなくてですね」



空中に裂け目が生じ、大きな手が現れた。


ガシッ。

幸運の女神様が大きな手に捕まえられる。



「ああっ?! 創造主様?! お待ちください!」


『ダマレ。祭リハオワッタ。直グニ戻ッテクルノダ。

余計ナコトハシナクテヨイ』


「そんなぁー?!」



幸運の女神様は裂け目に引き込まれ、消えてしまった。



「……何だったんだ?」



入れ替わりで、ダンジョンの女神3人が現れた。



「お疲れ様なんだなー」


「こちら、お土産ですわ~」


「お、報告書作ってるじゃん。偉い偉い」



俺が渡した報告書を受け取った女神が撫でてくれた。

うーん、なでなでが下手くそだ。

他の猫だったら怒るぞ。


お土産を四次元空間に仕舞い、これでいよいよこのダンジョンとお別れだ。

といっても、蘇生のためにたまに訪れることになるが。



「にゃー(命君、俺達は帰るぞ)」


「そうか。じゃあな」



俺は蘇生組、全員集合と文字を刻む。

よし、揃ったな。誰も欠けてないな。



「にゃー(【強化加速度操作】)」



俺達を、元の世界へ飛ばした。



◇ ◇ ◇ ◇



・猫さんが帰った後の機械ダンジョンにて



――――――――――――――――――――――――

帰っちゃいましたね。

――――――――――――――――――――――――



「だな。ま、また会えるさ」


「ジー(あのー)」


「ん? 何だこのバッタ」



――――――――――――――――――――――――

錬金術の神トミタが蘇生し、放置したバッタですね。

――――――――――――――――――――――――



「ジー(腹が減りました。何か食べ物を)」


「ミルフィーユ、このバッタを片付けろ」


「にゃ!(あいあいさー)」



パクリ。

白い猫又はバッタを踊り食いした。



「にゃ!(これ凄くおいしいよ!)」


「良かったな」



――――――――――――――――――――――――

マスターは無慈悲ですね。

飼ってやってもよかったのでは?

――――――――――――――――――――――――


「知るか。それよりゲームするわ。

人工音声さん、ホムンドール社に居るコレムと、ライブチャットを繋いでくれ。

今からモンふんするぞ」


『うきゅ、今日はラオウシャン武器を作るでしゅ!』



命は、ゲーム機を取り出し、いつものようにゲームして一日過ごすのだった。



□□□□□□□□□□□


□後書き□


『異世界でダンジョン運営任されたけど知るか。それよりゲームするわ』

とのクロスオーバー企画はここまでとなります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る