265.【過去編】キラーロブスター大量発生 その2


辺り一面に巨大ザリガニの死体が転がっている。

いやー、仕事した。



「はぁ、622体です~……こんなに燃やすのは大変そうです~」


『何を言っているんだ。燃やすなんてとんでもない。焼いて食うぞ』と板に書く。


「え゛、食べる? 本気ですか~?」



当たり前だろう。

こんなに美味そうな臭いをしているというのに。


1匹だけ残し、残りは四次元空間に収納する。


その場で簡易かまどを作り、ザリガニに木の棒をぶっ刺し、焼き始める。

じっくり時間をかけて、火を通す。



「にゃー(そろそろ良いだろう)」



爪で殻を剥いて、アウレネの取り分に塩をふってやる。

俺は猫だから塩なぞいらん。



「にゃー(いただきまーす)」


「いただきます~」



もぐもぐ。

……うおおおおおおお!


このプリプリの食感!

香ばしい香り!


とっても美味いぞ!



「ん~、まあ食べられない事は無いです~」



人間大のザリガニを2人で食べきるのは無理だったので、残りは四次元空間に仕舞う。



◇ ◇ ◇ ◇



・闇ギルド『悪魔の爪の垢』のとある人間視点


居ない! 何故居ない!


俺達は命がけで、とある密林から捕獲したキラーロブスターをオスメス数匹ずつ森の川辺に放った。

こいつらの肉は、貴族が高値で欲しがるのだ。


俺達の拠点の付近の森で繁殖させようと放つと、面白いくらいに増えた。

ボスは、売るのが楽しみだとおっしゃっていた。


それが、1匹も居ないなんて……。


ボスに報告しなければ!


この後、俺は逆上したボスに刺されることとなる。


死ぬ間際、俺は「こんな闇ギルド、滅びてしまえ」と呪詛を吐く。


数年後、魂監獄でボスに再会したのには笑ったね。

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