264.【過去編】キラーロブスター大量発生 その1


□前書き□


申し訳ありませんが、後日談は、暗い雰囲気の話がしばらく続きます。

295話以降は雰囲気は多少マシになるので、苦手な方は読み飛ばしをお願いします。

(7月5日時点では未投稿)



□□□□□□□□□□□





異世界に来て1年。


俺は森で、木を使って錬金術の練習をしていた。


【加速錬成】は、反応速度を上昇させる錬金術。

【分離錬成】は、物体を原子レベルで分離出来る錬金術。

【変性錬成】は、MPと引き変えに強制的に化学反応をもたらす錬金術。


【分離錬成】を応用すれば、物を好きな形に変形出来ることも分かった。

とはいえ、多用するとMPが枯渇するため、あまり無茶出来ないのだが。

ああ、MP消費を0にする方法はないものか。



「にゃんこさ~ん!」



森のウッドハウスで一緒に暮らしている金髪のエルフ、アウレネがやってくる。

いい加減、自分の住み家に帰ってくれよ。



「大変です~、キラーロブスターが川に大量発生しています~!」



キラーロブスター?

何だそれ。


俺はアウレネに連れられ、普段行かない川の上流へ向かった。



◇ ◇ ◇ ◇



上流に着いた俺達を待ち受けていたのは、人間大のザリガニの群だった。

でかいでかい。


辺りには魔獣の死がいがたくさんあり、それをザリガニ達がハサミを使って食べていた。



「付近の中型魔獣が全滅したせいで、それを餌にする大型魔獣が死滅したり場所を移動したりしてます~。

このままじゃ森の生態系が崩れちゃいます~」



ふーむ。

それは困るな。

森は俺の住み家でもあるし、何とかしなければ。



板に『そもそも、何でキラーロブスターが大量発生してるんだ?』と書く。


「私が知りたいですよ~。このあたりに本来は居ない魔獣なのは確かです~」



ということは、誰かが持ち込んだということか。

困るなぁ、そんな自分勝手しちゃ。


仕方ない、討伐するとしよう。



『倒すぞ』と書く。


「えー、あれ全部? 大変ですよ~?」



アウレネは嫌がっていたが、他に良い対処方法が無いため、仕方なく賛成した。


よーし、【ライトニング】で一掃してやるぜ。

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