208.イケメン奴隷を求む
・リオン視点
旦那に頼まれて、シャムさんという女性を店員として使えるように指導することになった。
彼女はヨツバお姉さまと同じような鮮やかな赤色の髪をした、色っぽい女性。
店が新築されるまで、俺と同じく、エルフと一緒に生活することになるそうだ。
そして時刻がもうすぐ夕方となるので、俺とオリバーはシャムさんと一緒に森へと帰っている。
旦那はコーディさんと買い物して森の自宅へ帰るそうだ。
「へぇ、リオン君って言うのねぇ」
「……おう」
「そっちのエルフさんがオリバー」
「気安く呼ぶな小娘ッ」
オリバーは、自分が認めた者以外には冷たい。
俺は何故認められたのかというと、貴族でもないのに、その年で読み書き計算が出来て優れているからだとか。
同じ理由でヨツバお姉さまのことも気にいっているらしい。
「小娘、デブ猫が認めたようだから森には泊めるが、秩序を乱すようなら容赦なく追い出すぞッ」
「はぁ~い……デブ猫?」
シャムさんが可愛らしく首をかしげる。
ちょっとドキっとしたのは内緒だ。
◇ ◇ ◇ ◇
・ヨツバ視点
夜。
皆が寝静まった頃、猫さんから送られた交換日記を読む。
そこには何と、猫さんが勝手に女性を2人雇ったことが書いてあった。
ずるい、私もイケメン奴隷が欲しいよぉ!
私のカミングアウトは6歳くらいの予定にしているけど、そろそろ私専属の奴隷が欲しい。
だから猫さんにおねだりしたというのに。
リオン君の主(あるじ)は私と猫さんの両方なので、私だけの都合で動いてくれないのだ。
というか最近はリオン君は鍛冶の勉強にハマってしまったようで、命令したら勉強の邪魔になるだろうね。
仕方ない。こうなったら最終手段。
自分で奴隷購入だ。
もちろん私の身元がバレる方法は取らない。
向こうもそのあたりは商売上心得ていて、こちらの正体が不明でも奴隷購入は行うことが出来る。
ただし2割増しで料金を取られるが。
さて、そうと決まれば、夜の町へ出発だ。
私はバザーで買った小人用ローブをまとい、小さな仮面を付ける。
そして、猫さんに教えてもらった四次元ワープで宿を出ることにした。
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