180.見積もり
エルフの大工、確か名前はチャールズ君だった気がする。
銀髪のハーフエルフらしい。
彼は図面を見て、ふむふむと唸り、
「オリバーが働いている店の増築、それに付随する建て物の建設やな。
あい分かった、すぐに向かうわ。
実際の土地を見て、それから図は修正しよか」
『よし、行くか』と書く。
俺達は、四次元ワープで、雑貨屋クローバーの前へ向かった。
◇ ◇ ◇ ◇
「図面修正と、見積もりが終わったでー」
話は、閉店したクローバー内で行うことにした。
「費用は、40万Gくらいってことかいな?」
安すぎじゃないか?
見積もり書を見ると、材料費しか書かれていない。
それも、どうしても人の町でしか手に入らない、釘などの値段だけだ。
木や石は0G扱いしている。
『それと、人件費は?』と書く。
「人件費って何や」
『人の手間が入ると、それにお金を払うんだよ。
例えば俺の新しい自宅だと』
待てよ?
俺、自宅の見積もり書なんて作ってないぞ。
ってことは……あー?!
自宅作ってもらった時、俺、金払ってないじゃん?!
慌てて1億G取り出し、チャールズ君に渡す。
チャールズ君は、キレイなコインやなぁ、と呟いていた。
横でオリバー君が貨幣価値を説明し、チャールズ君はぎょっとした。
「いや、こんな受け取れへんて」
『建設に関わったエルフ達に、後で分けてくれ』と書く。
「なるほど! ワイらエルフ族に対するお小遣いやな!
そういうことなら、遠慮なく受け取るでー」
チャールズ君は普段人間の金を使わないせいか、あまりよく分かっていないみたいだが、まあいいか。
結局、雑貨屋クローバー増築と周囲の施設建設は、4000万Gで請け負ってもらうことにした。
もちろん材料の用意は、出来るだけ手伝うつもりだ。
後日、半分の2000万Gをヨツバから回収した。
店はしばらく使えなくなるので、
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