165.新自宅完成


あれから1ヶ月後。

とうとう俺の新しい自宅が完成した。


元の木の周りに支柱が立ち、高い場所に生活スペースとなる小さな部屋がある。

上り下りは備え付けの木製ハシゴを使う。


俺が以前作った、なんちゃってウッドハウスと違い、水が溜まらないような設計、水を弾くコーティングをしている。

なので一部が腐って自宅崩壊みたいなことにはならないはずだ。


俺も木の切り出しや、板ガラスの提供などを行ったので、それなりに早く建設出来たらしい。


今後は、このようなウッドハウスを、他の皆の分も作るつもりみたいだ。

俺も出来る限りの応援をしよう。



「にゃんこさん、さっそくおニューのウッドハウスに入りましょ~!」


「にゃー(そうだな)」



はしごを上り、アウレネと一緒に家に入る。

中は一部屋で八角形状をしており、エルフ製の茶色の絨毯が敷かれていて、ベッドもある。

木の香りがとても良い。

飾り気が無いから、外のハーディス様像でも後で部屋に設置しよう。



「ガラスが使えるおかげで、家が明るいです~」



エルフ達が作る家の窓は、晴れの日に開けて雨の日に閉める雨戸のようなものらしい。

だが俺はそんなの面倒だからガラス板を提供し、無理言って窓を作ってもらった。

うむ、やはりこの方が良いな。



「アウレネ、バステト様、今から新築祝いを始めるぞい!」


「キュオオオオン!(うむ! 美酒である!)」


「石像さん、飲み過ぎだよー」



家の周りには、シルフ婆さんとエルフ達が集まって勝手に飲み会を始めている。

やれやれ。呑気な連中だな。


まあ今日くらいはいいか。


俺とアウレネも部屋から出てはしごを降り、飲み会に参加することにした。

といっても、俺は飲めないから適当にバッタ焼きでも食べることになるだろうが。

そうだ、せっかくだから、唐揚げでも作ってやるか。



◇ ◇ ◇ ◇



・ヨツバ視点



「けほっ! けほっ!」



何だか最近、タチの悪い風邪が流行っているっぽい。

ナンシーさんもその風邪をひいてしまったらしい。

一応【レッサーヒール】してあげているが、効果が薄い。


うーん、病因を鑑定してみようか。


――――――――――――――――――――――――

鑑定結果

病因:結核菌

――――――――――――――――――――――――


んん? 結核菌?

……結核菌?!


ということは、


――――――――――――――――――――――――

鑑定結果

病名:肺結核

――――――――――――――――――――――――


うわぁぁぁあああ?!

大変だ! 結核は怖い病気だ!

こじらせたらマジで死んじゃうよ!


私はMPが尽きて意識を失うまでナンシーさんに【レッサーヒール】したが、効果が無かった。

猫さんから薬貰わなきゃ……。


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