85.目が良い



俺はヨツバの視力の鑑定を行う。


――――――――――――――――――――――――

鑑定結果

視力:1.0以上

――――――――――――――――――――――――


やはりおかしい。

普通じゃない。

まだ産まれて6日目だぞ?

視力が1.0になるのって、5歳くらいじゃなかったか?



「おまたせー。ネル、ヨツバは良い子にしてた?」


「うん! 猫さんと通じ合ってたよ!」



ナンシーさんが戻ってきてヨツバを抱っこする。



「私も抱っこするー!」


「はいはい。落としちゃ駄目よ?」


「わーい!」



ネルがヨツバを受け取り、抱っこする。



「えへへー」


「あー」



そんな様子を、マック君はうらやましげに見ている。

抱っこしたいなら言えばいいのに。



◇ ◇ ◇ ◇


・ヨツバ視点



あの猫、日本人の生まれ変わりだ!

間違いない!


あなたは何者で、ここは何処で、私は誰で、この世界はどうなっているのか等々。

聞きたい事が山のようにある。


だが、今の私の体はベイビー。

うーあーしか喋れない。

ハイハイすら出来ない。


というか体力がなさすぎる。

パトラッシュ……何だかとっても眠いんだ。


体が出来上がるまでは、素直に赤ん坊に甘んじていることにしよう。

おやすみなさい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る