82.ジジババ達、名前を考える


・ネル視点


赤ちゃんが産まれた次の日の朝だよ!

猫さんは帰っちゃったけど寂しくないもん!

ママは宿のお部屋で赤ちゃんにおっぱいをあげてるよ!


それで私は今、近所のおじちゃんおばちゃん達と一緒に、近所の食堂に来てるよ!



「えー、こほん。皆さんに集まってもらったのは他でもない。

ナンシーさんの赤ん坊についてだ」



いかついトルソンおじちゃんが言ったよ。

赤ちゃんがどうしたんだろう?



「ナンシーさんに『赤ん坊の良い名前ありませんか?』と尋ねられた。

どうやら男の子の場合の名前ばかり考えていたみたいで、女の子だった時の名前はかんがえていなかったらしい」


「つまり、まだ名前が決まってないのか」


「あたしらで、その子に良い名前を考えようってことかい?」


「そういうことだ」



なるほどー。

赤ちゃんの名前かぁ。



「私も考えるー!」


「おっ、ネルちゃん。悪いけど今日は譲れないね。

俺が一番可愛い名前を付けるんだ」


「ワシの方がセンスある名前をつけられそうじゃ」


「ボクも参加しようかな」


「男どもは黙ってな! 赤ん坊に名前を付けるのはあたしだよ!」


「ボク、女の子……」



ニコが男の子扱いされて落ち込んでるね。

もっと可愛い服着れば女の子扱いされるはずなのに、馬鹿だなぁ。



「おまたせしました。ピザ大もり3つです」



ピザとかいう不思議なパンは、勇者さんが料理人に教えたらしいね。

トマトのソースとチーズを使った、変わったパンだよ。



「もぐもぐ。ナンシー、ネル、ときたら、ノーラとかどうだ?」


「エリィの方が可愛いぞい」


「無難な名前ばっかりつけてんじゃないよ!

ここは大きく、フランなんてどうさ!

フランベルジュ王国の名にあやかってね!」


「私は、プルートちゃんがいいなぁ」



ピザをつまみつつ、私達は名前をたくさん挙げたけど、結局決まらなかったよ。

ママは、別に急いでないからゆっくり考えましょうって言ってたよ。


次に猫さんが来た時に、何か素敵な名前が無いか聞いてみようかな?


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