第25話 行き倒れ美少女の〇〇デレアタック! Part 1

 22話の最後辺りの一葉の心情を変更、修正しました。

 ――――――――――――――――――――

「おはよう文くん、あら今日は日曜にしてはお暇なのね?」


 今日も今日とて一葉がやって来た。最近はギリギリ行き倒れずに店に入ってきて倒れるが、今日は平気な感じだ。


 でも、今日はいつもの一葉と違う。

 口調が違うのは明らかなんだが、上から目線というか素っ気ない…は違うな。服装の雰囲気に合わせてるのか?

 紺のノースリーブブラウスに白のフレアスカートとクールな感じだ。


 俺は言葉を失った。


「そ、それと、文くん服の感想聞かせてくれる?」

「感想って……」


 変わらない口調で、はにかみながら聞いてくる。


「一体どうしたんだ?」

「そんなことより感想。い、一応文くんの為に選んだんだから」

「俺の為…だと…」

「そ、そうよ」


 フンとそっぽを向く一葉の頬は紅潮している。


「どう?嬉しい?」


 一葉はチラッとこちらを見ながら、尋ねてきた。


 めちゃくちゃ嬉しいに決まっとんがな!

 そう言いたいのに言葉が上手く出ない。一葉から目が離せないのが悔しい、嬉しい。


 ともかく、今日は平日くらいに程よく席が埋まっていてお客様が雪崩れ込むということは今のところない。


 考えてしまった結果、俺は話の話題を反らした。


 このヘタレめ。



「その前に、さっきの話な。本当なら落ち着いた空間で本を読むというのが目的だから、賑やかなのが異常なんだ」

「そ、じゃあ私も今日は読書で時間を潰してみようかしら……それでふ『きゅるるる』…くの……」


 テーブルに一葉は倒れ込んだ。

 うん。何だか様子が可笑しいが行き倒れるのは平常運転らしい。

 ただ、我慢はしてほしくないなと思う。


 とりあえず料理を作らないとな。本当に今日はどうしたのか気になるがそれは後々。


 今日はリクエストでカルボナーラがきたのでそれを作って一葉の前に皿を出した。

 ちなみに一葉がカルボを注文したのは初だ。


「お待ちどう」


 匂いを探知した一葉の体がピクッとなると、目の前のカルボナーラを見て満開の花のようなぱあっとした表情に変わった。

 これはいつもの一葉だ。


「わぁぁカルボナ…ありがと、いただくわ」


 戻った。

 何が理由でそうしてるんだろうか。


「ごちそうさま、美味しかったわ」

「ああ」


 いつもと違って満面の笑顔がない。でも、口元がニヤけているので少し安堵できた。

 9割悲しいけど。


「なあ、一葉今日どうしたんだ?」

「何がかしら?いつも通りだと思うけど?」

「理由は知らないけど、俺はいつも一葉が好きだぞ」

「ふみゃ!…そ、そうなんだ…へぇ〜。ち、ちなみにどういうところが?」


「わんぱくでちょっと小悪魔で、でも、攻められるのは弱いところが可愛い。あと、俺の為に服を考えてくれるところ」

「ふ、ふぅん」

「でも、一番は俺の料理を美味しそうに食べて笑ってくれる笑顔と気持ちにだな」

「あ、あう……それは文くんの作るものが美味し過ぎるからよ……ありがとう」


 ニヤニヤしてる。正直めちゃくちゃ可愛い!


「そうだ服の感想」

「それなら、もういいわ。さっき聞いたし」

「え?あれで良いのか?」


 さっきとはいつもの一葉を誉めているところだな。

 こっちもこっちでクールなのが新鮮で魅力的だが、やっぱり一葉は食欲旺盛で明るいところが好きだ。


「なあ、一葉。俺、何かしたか?」

「特にしてない」

「じゃあ、何で」

「……文くんは今の私は嫌い」

「嫌いではないな。でも、一葉には似合ってないと思う」

「ふみゅ……じゃあ、止める」


 直後、ふぅと気の抜けたように息を吐いた一葉。

 やっぱり無理にしていたようだ。


 ホッと俺は安堵した。

 よし、終わった際だ。さっきまでのあれはなんなのか聞いてみるか。

 何となく予想はつくが、


「一葉あれはなんだったんだ?」

「あれはね……気になるなら考えてみて」

「じゃあクーデレか?」

「早いよ!正解だけど。はーやーいー」


 言いながら、一葉握り拳を作って上下に手を振る。


「駄々度も小悪魔度もいつもの一葉だな」

「そんなパラメーターが私に!?」

「星5レベルのレア度だ」

「おお、虹色!」

「いや、銅だ」

「それ星2以下じゃん」

「星2なめんなよ聖杯で有用さんになるやついるんだからな!」


「あ、わかった。ギャップに萌えたな萌えたんだろ」

「も、萌えてねーし!」

「………」


突然一葉がじーっと俺を見つめ出した。


「ねぇ知ってる?嘘つくと人は右斜め上見るって」


思わず意地をはって俺は右斜め上を見てしまった。

 という、知ってたのか。


 図星でなにも言えなくなったのがわかったのか、一葉は小悪魔顔でニヤニヤとどうなの?と顔で言ってきやがる。


 くそ、それが可愛い。美少女め。


「……そ、そう。萌えた」

「萌えたの?」

「萌えた」

「そ、文くんはクーデレが好きなのね」

「ギャップにだ!あ、」

「そう、ギャップで私に胸キュンしたのね」

「胸キュンしたの」


 山びこで最後に正直に答えられた。

 精神ダメージがヤバい。恥ずかしい。


 一葉はクーデレに戻って「そ」と素っ気なく言いながらも表情は無茶苦茶で、嬉しそうにニヤけていた。

 一葉のギャップ、かなり可愛いなぁぁぁもうぉぉぉ!


「それで、何でクーデレ?」

「ふ、ふん。関係ないでしょ!文くんは可愛いと思ってれば良いのよ」


 言葉と声との差が激しすぎやぁしませんかね一葉さん。

 めちゃくちゃ嬉死ぬぞ。


 ―――――――――――――

 どうも、翔丸です。


 ええと、単刀直入に言いますと、少しずつ投稿していこうと思います。


 読んでくださっている方々お待たせしました。

 長い目で見てあげてください。


 文「お前だよ!」


 はい!すいません。

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