第15話
俺に勝手に未来を押しつけて来ないでよ。
俺の机はじいちゃんとの約束なんだ。
誰にも言わないってじいちゃんと約束だから。
母さんの買ってくる参考書も
行きなさいって通わせてる塾も俺の頭じゃわかんないし
興味無いものばっかだし、
何なんだよ。
これ以上俺の机の上に要らないもの載せんなよ。
…何て言ったらぶったたかれんだろうな、俺。
じいちゃん、俺、悔しいよ。
子供なのが悔しいよ。
どうして母さんより偉くなれないんだろう。
どうしたら母さんが俺を見なくなるか、
分かんない。
9月も中頃になると強く吹く風も肌寒く、
ずっしり肩にめり込むカバンからセーターを出そうと思ったらテキストで潰れてて取れなかった。
うなだれて。疲れたから寒いままでもまぁ良いか。
どうしたら逃げれるかな。
あぁ、もう少しで家に着く。
帰ったらテキストまた増えてたらやだな。
そんな事考えてたらあっという間に
ドアに手をかけていた。
ただい、まを言う時には
頬っぺが痛かった。
あぁ、今日塾だっけか。
ぼんやり怒られている内容はいつもの
「遅れをとるな」「あんたは出来ないから」とか
そっちだろう。
あぁ、もういいや。
ごめん、じいちゃん。俺もういいや。
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