第28話

フリーマーケットは結論から言うと大成功。

佳代さんの出店した場所は絶え間なく人が来ていた。

お菓子やアクセサリー、日用的に使えるものから

壁掛けや置物まで

色々なジャンルのものを販売していた。


レジなんて、アルバイトぶりにやった。

ただ、あの時よりも楽しかった。

佳代さんはたいへんお話好きな上に

聞き上手でもあった。


相手と自分を楽しませてこその

フリマよ!なんて言ってた。


話8割、会計1割、おまけ1割、なんて

していくうちにどんどん売れていって、

終了時刻2時間前には完売した。


自家製ジャムの

可愛い「お駄賃」も貰い、久々に童心に返った

心持ちだった。


ウキウキした気持ちそのままで

図書館に立ち寄った。


昔から本は大好きだった。

おばあちゃんがいきなり暖炉で

とびきり美味しいスープを作っても

女の子が魔法のペンダントで妖精の世界に

行っても

全て想像出来た。


そのおかげか小さな頃から変わり者だったが、

その想像力の賜物か

「変わったもの」を見ても、

「大変な状況」を見てもまず否定からは入らない。

まあ、そういう事もあるよね、くらいに捉えておく。


小さな町だが図書館は割に大きく

多分職員室と同じくらい、1階の半分は図書館として使っている。地下の図書置き場も合わせれば

蔵書数はそれなりだ。


その図書館、入口のすぐ左側に階段があって

地下に行けるようになっている。


地下へは鍵を持って

職員が行ける作りになっているらしい。

暗くて私は行きたくない。

いかにもな場所には近寄りたくない。



新しそうな表紙の小説を3冊借りた。

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