第27話

土曜。晴れ。


その日は前々日から吹雪いたおかげで

凍結した道を歩かざるを得なかった。


道中転んだサラリーマンがいたが

たぶん助けたら助けたで羞恥心が増すタイプの

そんな感じを見受けたから

見てませんよー、というテイでこちらも通り過ぎた。


店から歩いて20分ちょっと。


3年前に改築したという公民館だが

外観を綺麗にし、耐震工事と一部内装を変えたというもので

建物の中はまだ古い匂いがした。


遅刻も嫌だと思って30分前には着いてしまった。

新しいところは探検をしたい。

こういう変なところは小学生の頃から抜けきっていない。


建物は地下合わせて4階建てで、

一般の人はふだん1階と2階を使う。

地下は図書館に収まりきらない図書や、

一般閲覧はしない古書が積んでいるらしく、

4階はこの町の歴史物展示スペースと

反対側には職員の作業部屋があった。


そんなこんなしているうちに人がポツポツ

来出した。


前準備は昨日今村さんとしたらしく、

設営は出来上がっていた。


大きな荷物を抱えた佳代さんが見えたから

半分持つことにした。


しかし公民館、滑り止めの砂をこれでもかというくらい撒いている。

真っ黒じゃん。

そりゃあ、ご老人から子供から使うからね、

危ないもんね。


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