第17話

今現段階で私のお客さんは2人になった。

しかも多分同じ内容。

商売としてはお金を払ってくれている

女性の方をとるべきなんだろうけど、

理由がなんとも釈然としない。


片方では「約束」を守ろうとする

強い意思の感じられる私の目を見てくれる

背の高い男の子。


さぁ、どっちをとる。

私も人間だから、生きてるから

意志を持った子を応援したい、そりゃあ。

でもこれは商売だ。人助けじゃない。

そしてこの文句は「一般論」であって

多くの例がそれに当てはまる訳では無い。


応援したい。あの子の頑なに守りたい「約束」を

叶えさせて通してあげたい。


なんとも勢いよく太い糸を細い針穴に通せるかどうかみたいな選択を迫られる。



人生選択ばかりだ。考えろ。考えろ。

あの子を助けたい。もう私の頭は決まった。

来ないって事はこっちから押しかけるよ?

心配だもん。



未来ある子は今に悔しい思いをしても

自分に行き詰まった未来しか見えないと「思い込ませちゃ」だめなんだ。

私の持論ではあるけれど。



だったら私はエゴだと分かってても

私の持論のもと動いてみよう。



こんな事ばかりしてるから、

私も最近お店の近くを散歩しているのか

寄り付く老人の姿が「見えなくなって」いたのだ。

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