第8話

2日もお世話になったからには何かしら

決着はつけたい。

夫人に対しての憎悪も感じられず、

先立つ申し訳なさも感じられず、

家に対する未練でもなく、

病院に行ったがよく分からず。


無い物づくしでいよいよ糸口がみえない気がしてきた。


昨日と同じく少し談笑とお茶会をし、

今日は安藤氏の書斎兼自室を見せてもらった。


やはりこちらも几帳面に整えられたまさしく

「経理をしていそう」な書斎であった。

時折床に落ちてる木片こっぺんが足に刺さっていたかった。


そう言えば何でくつ下片方脱げていたんだろうか…。

ハッとアイディアが思い浮かび、じっちゃんに報告したいくらいだわと名推理をし夫人に病院の場所をいくつか教えてもらい聞いてみたけど

彼が寝ていた全ての病院病床のちかく、落し物センターにくつ下は無かった。


とぼとぼ帰ってきた安藤宅は

早朝伺わせていただいたのに

もう日も真正面にいた。


今回も無理だったかな…と少し弱気になり、

書斎クローゼットをあける。

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